バスや列車にしがみつく人々は、海外ではよく見かけますが飛行機は無理でしょ…飛行機にしがみつく危険とタリバン支配の祖国に残るリスクと天秤にかける絶望の選択

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写真はNewsmaxさんから拝借しました

アフガンの次に見捨てられるのは台湾なのか?
アフガンでなぜ民主主義が浸透しない?
中国は今どんなことで悩んでいる?

Harano Times 2021/08/17



皆さん、こんにちは。今日も引き続き、アフガニスタン関連の話をします。昨日からネットでアフガニスタンの沢山の国民がアフガニスタンから逃げる為に、カブールの空港に押し寄せたシーンが流れました。

皆さんは既にネットで見たと思いますが、一部の動画のリンクを説明欄に入れたおきますので、未だ見てない方は、見てみて下さい。(ここでは太字部分)

それらの動画を見ると、あんまりにも心が痛みます。誰も自分が生まれ育った所からその様な感じで逃げたいと思わない筈です。

沢山の人が空港に逃げ込んで、米軍の軍用輸送機に乗り込みました。最大定員189人のC17輸送機に800人もの外国脱出者を詰め込んでカブールから離れました。これはアメリカのC17輸送機が今迄輸送した最も多い人数になります。

一部の飛行機に載れなかった人が、飛行機にしがみつこうとしました。飛行機がかなり高く飛んだ後に、飛行機から墜落した人も居ました。

人がこれから飛ぶ飛行機にしがみつくには、その飛行機の中に自分の命と引き換えに出来るモノがあるか、自分の背後に死を超える恐怖があるか、どちらかだと思います。

彼等はアフガニスタンに残ると、命を落とす事になりますので、飛行機にしがみついて、他の所に行けるかもしれない、そのゼロに近い可能性を掴もうとしました。平和な世界で暮らしている人には想像できない事だと思います。

アフガニスタンの情勢が1日で完全に変わってしまった事について、話が出来る角度が沢山ありますが、今回はアフガニスタンの情勢が変わった事は、中国にどんな影響を与えるかという角度で話をしたいと思います。

アフガニスタンの情勢が完全に変わった後、中国国内の世論を中心にチェックしました。中国の有名なメディア陣が一斉に「これはアメリカの大きな失敗。その次は台湾だ」と大きく宣伝し始めました。

彼らは今迄アメリカは台湾に武器を販売して、台湾を守ると言ってきた。台湾もアメリカは自分を守ってくれると考えてきた。しかし今回、アメリカがアフガニスタンで20年間やってきて、失敗で終わった事を見ると、アメリカは台湾を守らない。

大事な時にアフガニスタンを見捨てた様に、台湾を見捨てる。台湾軍もアフガン軍と同じ様に、戦争しないと宣伝をしています。

では、今、中国のメディアで言っている、アメリカはアフガニスタンで大きく負けた事と、アメリカは台湾を守らない。台湾軍は戦わないという、これらの論点をどうみるべきか。

アメリカは何故、アフガニスタンから撤退しようと思ったかについては、1ヶ月前の動画で既に話をしています。アメリカがアフガニスタンで戦争を始めた理由は、当時、アフガニスタンをコントロールしていたタリバンが911テロ活動を計画したビンラーディンを庇ったからです。

その目的で考えると、オバマ政権の時にビンラーディンは殺されたので、その戦争の目的は達成されていました。

その後の10年間は、アメリカがアフガニスタンの秩序をコントロールする。アフガンの民主政府の設立と軍隊の訓練に中心を置きました。

この部分の話はその戦争の目的以外のミッションになりますが、このミッションは失敗しています。ですので、この戦争の目的から考える場合は、アメリカは既に目的を達成していますので、毎年、アフガニスタンに大量の資金を投じて兵士の命をリスクに晒す必要は無いので、トランプ大統領が撤退する事を決めました。

でも、今回、アメリカの撤退があんまりにも「みっともない」形になってしまったのは、撤退の方法、撤退の段取りに問題が起きたからです。戦術の問題になります。

トランプ大統領がアフガニスタンから撤退すると決めた時、先ず、タリバンが再びアフガニスタンや国際社会でテロ活動する事を制限する条件を付けていました。

トランプ大統領はタリバンを1つの政治勢力として認めていないだけではなく、タリバンに対して、強いプレッシャーを維持していました。

つまり、米軍がアフガニスタンから撤退する。アフガン政府がアフガンを管理する。もしタリバンが又、アフガニスタンでテロ活動を行うなら米軍は必ずタリバンと戦う体制を作っていました。

もし、その計画で行ったなら、タリバンは今の様な成功を手に入れなかった筈です。

今回タリバンがアフガニスタンをこの様な形でコントロールした事は、バイデン政権には確かに大きな打撃になります。

今、左翼メディアを含む沢山のメディアは、今回の局面はバイデンの失敗と批判しています。

自分は国際関係に強い大統領であると言ってきたバイデンは、ホワイトハウスに入って、まだ1年も経ってないのに、こんな問題を作ってしまったのは、彼の元々あんまり良くないイメージを更に悪くしてしまいました。

勿論、この様な事は、中国のメディアがアメリカを批判するとても良い材料になります。でも、米軍がアフガニスタンから撤退する事はアメリカに打撃を与える事ではないです。

アフガニスタンに国際貿易・経済に影響を与える資源も無いし、タリバンがこれから近い内に、アメリカの本土に対して、攻撃を行う実力もないです。ですので、このエリアにはアメリカの利益に影響を与えるモノが少ないです。

マーケットはこの様な国際関係に最も敏感です。アフガニスタンの政治にこれ程の問題が起きたのに、アメリカの株式市場は特に反応していない事から、今アフガニスタンで起きている事は、近いうちに世界経済又は貿易問題等に影響を与えない事が分かります。

ですので、今回、アメリカはどちらかと言うと、面子が潰された事になります。タリバンがこれからアフガニスタンで深刻な人権弾圧をしない限り、アメリカはもう、アフガニスタンに戻らない可能性が非常に高いです。

では、中国のメディアが言っている様に、台湾はアメリカに捨てられる事になるでしょうか?それは無いと思います。私がそう思うだけではなく、中国共産党もそう思わないですね。

もし、彼らが本当にそう思うと、とっくに台湾を攻撃している筈です。彼らが未だに台湾を攻撃していない最も大きな理由は、アメリカが手を出す可能性が非常に高いからです。

では何故、アメリカがアフガニスタンから撤退した事から、アメリカが台湾を見捨てるという結論にならないかというと、台湾はアフガニスタンと違うからです。

米軍がアフガニスタンから撤退した事で、面子は潰れるんですが、アメリカ自体には影響を与えないです。でも、もし、アメリカは台湾を失ってしまうとアメリカの第一列島線に穴が開く事になります。

この第一列島線はアメリカが中国の拡張を止める最も重要なラインになります。もし、アメリカが台湾を失うとなると、中国は直接太平洋にアクセス出来る様になって、南シナ海で影響力を上げる事が出来ます。

それはアメリカのアジア、又はインド太平洋地区での戦略に大きな影響を与えますので、アメリカはその状況を許さないです。

又、今回、バイデンの撤退があんまりにも「みっともない」形になってしまいましたので、アメリカ国内からかなり批判を受けています。

でもバイデン政権が批判を受けたからと言って、もう1回、アフガニスタンに戻る事は無い筈です。

でも、この事が自分の同盟国との関係に与える影響を最小限にする為に、アメリカは国力が許す限り、台湾・インドの様な国に対して、支援を強化する可能性すらあります。

では、台湾の軍隊はアフガン軍と同じ様に簡単に戦争を止めるかというと、それも無いと思います。アフガニスタンと台湾の何が違うかと言うと、先ず、昨日の動画でも皆さんに紹介した通り、アフガニスタンが1つの国というよりは、沢山の部族の集まりです。

又、アフガニスタンの80%の土地は山、又は高原地帯になりますので、部族と部族の間の繋がりも少ないです。ですので、アフガニスタンで部族を超える1つの国という認識、文化があまり無いです。

これもアフガニスタン政府がタリバンとあんまり戦っていなかった理由の1つになります。自分の小さな部族が良ければ、それで良い。国というのは、あんまりにも遠い存在です。

これはアフガニスタンの文化であって、その文化が変わらない限り、統一した国を作る事も出来ないし、勿論、民主制度を浸透させる事は、未だ早い話になります。

しかし台湾はシッカリした市民社会です。前回の台湾大統領選挙で、香港の状況を見た台湾の若者が海外から飛行機で台湾に戻って、投票をしていたのを見れば、台湾人が自分の自由を大事にしている事が分かります。

彼らが台湾を守る事は、自分の生活を守る事になります。だから台湾人は自分を守る決心があります。他人が自分を守る事を期待するのも良いですが、でも、先ず、自分が自分を守る決心、敵と戦う決心を見せないと他人も手伝おうとしないです。

今の台湾の主流は中国共産党に反対する決心を見せていますので、国際社会から支持を獲得する事が出来ます。

又、台湾は国際社会に貢献する方法で国際社会との融合を深めてきました。今、台湾は世界中の多くの国から国として認められていないんですが、でも、世界中の多くの国にとって、なくてはならない存在になりました。

勿論、台湾がもっと強気になっても良い部分もありますので、これから、その決心を固めていくと思います。これらの視点から考えると、アメリカは自分の利益を守る為、今、中国のメディアで完全にアメリカが失敗した事で喜んでいて、中国共産党が、これから直面する問題について、全く触れていないです。

では、中国共産党がこれらかどんな問題に直面するでしょうか。中国共産党は今回、かなり派手にタリバンを支持ずるスタンスをとっています。

勿論、今回タリバンがアフガニスタンを取った事、タリバンがイメージアップ戦略を知っている事の裏に、中国共産党がいる可能性が非常に高いです。

これはある意味、アメリカがアフガニスタンから撤退した後に、中国はタリバンに影響を与える事が出来る国である。又は、その周辺国で問題があった時は、中国を経由して、それを解決する事が出来るメッセージを出している感じになります。

つまり、アフガニスタンを北朝鮮の様なカードにしたいと考えています。でも、ホントにそう簡単にいくでしょうか?

タリバンはイスラム原理主義の組織になります。ですので、彼らが実施する政策には、かなり過激なところが多いです。

又、アフガニスタンの国の様に、タリバンも沢山の部族の集まりになります。もし、その組織の誰かが本気に優しい政策を実施して、タリバンという組織を変えていくと考えると、必ずそれに反対する人が出てきます。

ですので、本当に強いリーダーが生まれて、組織を変えていかない限り、その組織は変わらないです。今、優しい政策を執っている様に見せかけていても、いつか本当の姿を洗わず時が来ます。

又、沢山の部族の人が集まって出来たタリバンになりますので、それがシッカリした組織になって、アフガニスタン全土をコントロールする事が出来るかはまた別の問題になります。

中国はアフガニスタンに投資する事によって、タリバンとの関係を構築する事を考えています。でも、そうなると、アフガニスタンのどのエリアに投資するか?そのエリアにどの部族が居るか、などの問題についてシッカリ考えないと、後々、投資を受けられなかった部族から不満があって、その投資プロジェクトを邪魔する事が起きる可能性も出てきます。

ですので、タリバンの様なテロ組織がコントロールしている部族の集まりで出来ている国で、大型の投資をする事は、かなり複雑な事になります。

今迄、中国がアフガニスタンで投資出来た理由は、アメリカの軍隊がそこに居て、タリバンをコントロールしていたからです。

中国共産党は人民解放軍をアフガニスタンに出して、武力で自分の投資を守らない限り、今迄の様に安心して投資していく事は、かなり難しい事になります。

タリバンが中国外交部部長王岐と面談したことが報道されていますが、タリバンがロシアとイランも訪問した事は、あんまり報道されていません。

何故なら、タリバンがロシアとイランに行ったときは、正式な面談ではなく、非公式な面談だけになりましたし、国の上層部に会う事もが出来ませんでした。

1つの中国と吠えてきた、中国共産党がアフガニスタン政府と国交を保ちながら、アフガン政府の反対勢力タリバンと正式な面談をしました。

今タリバンがアフガニスタンをコントロールした後に、頼れ唯一の組織は、中国共産党です。

では、タリバンの中国共産党と交渉するカードは何かというと、ウイグルの問題です。共産党がタリバンを支援すれば、タリバンは東トルキスタン運動を抑えるし、支援しなければ、抑えない事になります。

では、支援すると、どの部族を支援するかという泥沼に嵌る事になります。

もう1つ中国が直面しないといけない問題は、アメリカがアフガニスタンから撤退する事によって、ロシアとインドがアフガニスタンの事に、もっと関与していく可能性が増えますので、今迄のバランスが崩れて、中国がこのエリアでロシアやインドと直接衝突する可能性が増えますので、中国とロシア、中国とインドとの関係にも影響が出る可能性があります。

ですので、今、中国のメディアは喜んでいますが、中国共産党の本当の気持ちは中国共産党が1番知っていると思います。

今日のニュースの部分は此処までになります。最後に1点だけ皆さんに話したい事があります。昨日沢山の方から、動画の通知が届いていない。新しい動画が出ても、ページに現れないというコメントを沢山頂きました。

過去もたまにこの様なコメントが来た事がありますが、昨日の様に、集中的に来たのは、あんまり無かったので、これは今、沢山のフォロワーさんに起きている問題だと思います。

正直私もその対策が分からないです。チャンネルが狙われるとどうしようもないんですが、1回、チャンネル登録を解除して、もう1回チャンネル登録をすると、改善されると聞いた事がありますので、もし宜しければ、1回、チャンネル登録を解除して、もう1回チャンネル登録をすると、改善されると聞いた事がありますが、もし、宜しければ、1回、是非やって頂ければと思います。

それで通知のベルマークをONにすると、動画がアップされた時いn通知が行きますので、宜しければ是非お願いします。今日の話は此処までになります。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。では、又、次回、お会いしましょう。



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