567に続いて不動産バブル&経済崩壊…あの国の引き起こす混乱はいつも世界を道連れに

000009132021  バブルホーカイ.jpg

一日一社ペースで倒産、
96%の〇〇率!データでわかる、
ソロスが言っている中国の不動産危機、
中国発のリーマンショックが起きるかもしれない状況

Harano Times 2021/09/13



皆さん、こんにちは。この前、ソロスの話を皆さんに紹介しました。ソロスの発言の中で中国の不動産市場がかなり厳しい状況に直面している。危機が潜んでいるという発言をしました。

中国の不動産はヤバイ、もう終わり、早めに逃げなさいとズッと言われ続けていますので、今更中国の不動産がヤバイと言っても、いつもの話かと思われる筈です。

でも、今の中国の不動産市場は確かに厳しい状況になっていまして、近い将来、中国の不動産市場で大きな問題が起きる可能性がかなり高くなっています。

今回の動画では、中国の不動産マーケットに関連する一連の重要なデータを皆さんに紹介した後に、もし中国の不動産マーケットが崩れる事になった場合は、どんな事が起きるかについて話をしたいと思います。

勿論、中国の不動産マーケットが崩れてしまうと、中国の経済も大きな打撃を受ける事になります。

不動産産業はかなり複雑で、サプライチェーンが長い市場になります。不動産市場は消費市場でもありますし、金融市場でもあります。だから不動産市場は沢山の要素に影響されますので、沢山の違う角度で見る事が出来るマーケットです。

又、人によって、中国の不動産の勢いが凄いという話を聞いたり、全然ダメという話も聞きます。その1番大きな理由は、中国の不動産状況は地域、都市によって全然違うからですし、中国政府は不動産の本当のデータを出していないからです。これも中国の不動産について話す時の難しいポイントです。

先ず、中国の不動産市場に関連するとても重要なデータを皆さんに紹介します。中国の人民銀行は2019年の10月に中国全国の30日の省、自治区、直轄市で3万を超える都市部の家庭の資産に対して調査を行いました。

これからのデータは全部中国の都市部のデータになります。又、この様な調査はその後に行われていない、若しくは行われたとしても公開されていません。何故なら、そのデータがあんまりにも衝撃的なデータになるからです。

その調査レポートの名前は「2019年中国都市部固定資産負債状況調査」です。公開されたのは2020年4月辺りです。その報道は中国語になりますが、リンクを動画の説明欄に貼っておきます。(ここでは太字部分)その中の重要なデータを皆さんに紹介します。

これから少しデータの話が増えますが、そこまで細かく聞かなくても、大まかなイメージを掴む事が出来ると思います。

中国の都市部の家庭の資産は平均317万人民元になります。日本円では5,400万位になります。この額自体を見ると、かなり良い方だと思いますが、しかし貧富の差が大きいです。

調査を受けた人のトップ10%の家庭は全家庭のほぼ50%の資産を占めています。各家庭の資産の中で不動産資産の割合が最も大きい。その割合は70%です。

これが中国人の資産状況の最も大きな特徴の1つ、不動産の割合が大きいという所です。

その次に中国の都市部の家庭の住宅所有率は96%です。これはかなりの割合です。その中でも1件の不動産を持っている人は58.4%、2件不動産を持っている人は31%、3件以上の不動産を持っている人は10.5%になります。平均すると1家庭当たり、1.5件の不動産を持っています。

アメリカの都市化率は80%で、中国の都市化率より20年%高い。しかしアメリカの都市部の家庭が不動産を所有している比率は中国より32.3%低いです。

又、中国都市部の家庭の中で収入が少ない下から20%の家庭が不動産を所有している比率は89.1%です。つまり都市部の中で比較的収入が低いと言われている下からの20%の家庭の9割は既に不動産を保有している状況です。

アメリカの状況と比べると、アメリカの下から20%の家庭が不動産を所有している比率は32.9%です。ですので、過去20年間、中国の不動産マーケットが大きく成長した結果としては、中国人が不動産を保有している比率は世界範囲で見てもかなり上のランクに入りました。

都市部の家庭の資産負債率は平均9.1%で、中間値は15.8%です。アメリカの家庭資産負債率は12.1%になるという結果になっています。

又、資産規模が10万人民元以下の家庭の中で、負債をしている家庭の平均資産負債率は111%になります。この中国の家庭の平均負債率はアメリカの家庭の平均負債率より低いという説に対して、それは正しくないと指摘されています。

何故なら、今回の調査は銀行の負債調査になります。でも、皆さんもご存知の様に、中国人が不動産を購入する時に銀行だけではく、自分の両親、友達、親戚からお金を借りる事が多いし、銀行以外の融資手段も使っていますので、中国家庭の平均負債率は絶対アメリカより高いと言われています。

住宅ローンは家庭の負債の75.9%を占めます。でも、この数字も同じく、中国人が沢山の手段を使って不動産を購入しているので、負債の中で、住宅関係の比率は90%を超えると言われています。

このデータを見ると、ソロスが何度も中国の不動産がヤバイと言っている事が分かるかもしれません。

では、これらの一連のデータでどんな結論を出す事が出来るかというと、

1.中国人の不動産に対する需要は硬直的な重要ではないです。つまり多くの中国人にとって、不動産は必ず買わないといけない物ではなくなっています。

経済状況によって、買うか買わないかを決めても良い物になっています。そうなると、その都市部に新しい人口が入らない限り、不動産の価格を維持する事が出来ないです。

という事は、中国の不動産価格が高止まりしている理由は、中国人が不動産の価格が上がり続けるという信仰を持っているからです。

多くの中国人が中国の不動産はもう上がり続けないと考え始めた時が中国の不動産マーケットが崩れ始める時になります。

2つ目の結論は、中国人は不動産価格の下落に耐える事が難しいです。96%の人が不動産を持っていて、彼等の負債の中で不動産ローンの割合が7割以上、場合によって9割以上の時に、もし中国の不動産価格が大幅に下落するとなると、多くの中国人の家庭の資産が蒸発してしまう事になります。

3点目の結論は、今の不動産の負債率で考える場合は、もし不動産価格が落ちると、中国人の消費意欲が更に下がってしまいます。不動産価格が上がり続ける時に自分の資産が増えているという感覚が生まれますので、もう少し手を伸ばした消費をしたいと考える様になります。

でも、自分の最大の資産である不動産の価格が下がり始めたら、中国人の消費意欲に打撃を与える事になります。


では、不動産市場がどうやって崩れていくのかという話をしますと、以下の幾つかのシグナル、又はステップがあります。

先ず、中小規模の都市部のマーケットが先に崩れ始めます。何故なら、多くの中小規模の都市にはシッカリした産業が無いんで、仕事を探しに、そこに新しい人が行く事もないし、場合によって、その都市の元々の住民が、外に行って仕事を探しに行く事もありますので、その都市の人口を維持することはかなり難しいです。

中国の東北エリアは中国の中でも高齢化が進んでいって、産業が段々消えていっているエリアの1つです。2年位前から、そのエリアの一部の不動産価格はかなり下落しているというニュースが流れ始めています。

それ以外の例ですと、最近、中国の一部の都市で、不動産価格の下落禁止令が出ています。例えば、雲南省の昆明市、江西の桂林市、吉林省の長春市等の都市で大幅な値下げ販売を禁止するルールが出ています。

値下げ販売禁止令が出るというルールが出ているという事は既に値下げ販売が始まっている事になります。勿論、未だ総崩れの所までいっていないんですが、もし不動産価格が落ちるとなると、この様な都市の不動産価格が先に崩れていく事になる可能性が大きいです。

その次に一部の不動産企業の資金が切れる事です。特に中国の不動産企業の中での中小企業です。

この前の報道では、中国のオフィシャルなデータを集めた情報によると、今年に入って、9月5日迄合計274社の不動産会社が倒産しました。つまりこの8ヶ月間で平均1日1社以上のペースで不動産企業が倒産しています。

中国で不動産の開発を行っている企業は約十万社になりますので、その中の270社は普通の新陳代謝と理解する事も出来ます。でも、倒産した多くの会社は、あんまり融資能力の無い中小企業になりますが、その中でも中国で連続十年中国不動産トップ百に入っている企業も入っています。

例えば、値下げ販売を禁止すると、家が売れなくなって、不動産企業が資金の回収が出来ず、キャッシュフローに問題が出ます。そうなると体力がない中小企業が先に倒れていきます。

その次のステップは、勿論、大手の不動産企業の資金に問題が出始めます。中国の不動産企業が大胆な融資の方法を使って拡張していくスタイルから考えると、今大きな不動産企業になっている会社であればある程、問題が起きやすいかもしれません。

今、中国の大手不動産企業の中で、最も注目されているのは、皆さんが何回も聞いた事がある中国の恒大集団です。昨日から、中国恒大集団の金融商品に問題が起きているというニュースが流れています。

恒大集団は不動産企業と認識されていますが、この会社は不動産以外の沢山の分野に手を出しています。例えば、サッカーチームを購入したり、金融商品を販売したり、又、この前、電動自動車の分野にも手を出して、かなり大きな投資をしました。

ですので、そのあんまりにも計画性がない投資が恒大集団の資金に問題が出ている1つの理由になっています。その中の恒大集団の金融商品に問題が起きているという話が流れていますので、もしその1つの部門で問題が起きれば、他の部門にも影響が出る可能性が出てきます。

勿論、その部分だけでなく、この会社自体は今、かなり危機状態になっています。中国政府がこの会社を救うか救わないかという事が、今、大きなポイントになっています。

この様な企業が倒産さんると、この企業の下請け会社も倒産する事になりますし、企業のサプライヤーも大きな影響を受ける事になります。

それ以外に中国の不動産は基本建設される前から既に販売が終わっている事が多いので、会社が倒産すると、既に販売したが、未だ建設が終わっていない家が大量に残る事になります。それも大きな社会問題になります。

この恒大集団が倒産した場合、中国発のリーマンショックになります。場合によって、当時のリーマンショックよりも更に大きなインパクトが生まれるかもしれません。

また、これらの事が起きると同時に銀行が住宅ローンの制限を始める事や、中国の大都市のマーケット価格、取引量が下がる等のサインも出てきます。

先日、妙佛さんのチャンネルで深圳の不動産取引量が激減している話をしましたが、正にそれも1つのサインになります。

このチャンネルを見ている多くの方は、当時、日本の不動産マーケットが崩れた時を経験した事があると思いますので、その時起きた事を未だ、覚えていると思います。

中国の事情と日本の事情が違うので、状況は違うと思いますが、もし共通している他の内容があれば、是非コメント欄で皆さんとシェアしてください。

勿論、今の時点で、中国の不動産市場は未だ完全に崩れていないです。但し、これから崩れるかもしれないサインが色々出ています。

では、中国の不動産市場が崩れた場合は、どんな事が起きるかについて、簡単に話をしたいと思います。

1.冒頭でも話した様に、中国人の資産のかなりの部分が蒸発してしまいます。又、売りに出せないので、今迄資産と思っていたものが、売り出せなくなって、資産の価値が消えてしまいます。

2.銀行の倒産です。先ず、個人の不動産ローンを毎月払っている人が、払えなくなって、又は、払いたくなくなって、毎月のローンを止めると、銀行の資金に問題が出る様になります。

個人以外に一部の企業は銀行からローンを借りる時に、自分の不動産資産を担保にして銀行からローンを借りています。もし、その不動産の価値が落ちた場合、銀行がその企業に対して、もっと担保を出す様に依頼するか、先に一部の借金を返済してもらうという依頼をしますので、その場合、不動産を担保にして資金を借りている企業の資金に問題が出てきて、倒れる可能性が出てきます。

3.中国の株式市場の下落です。中国の上場企業の中で、不動産関連の企業がかなりありますので、不動産市場の下落は、必ず中国の株式市場の下落に繋がります。

不動産市場に警戒して、株式市場に投資している中国人もかなり居ますので、彼等の資産もかなり影響を受けます。

4.中国の人民元お価値にインパクトを与えます。


この一連の事が起きれば、アジアを初めとする世界の多くの国の経済が打撃を受けます。アジアの中でも、日本の多くの企業が影響を受ける事になります。

日本の建材関連の企業の多くは、中国で商売をしているし、中国経済の全体がインパクトを受けますと、勿論、日本も建材関連の企業以外の多くの産業も影響を受けます。

もし他に何か追加説明したい方がいらっしゃれば、是非、コメント欄で他の方とシェアして下さい。

中国の不動産市場と今のアメリカの株式市場は、今この世界に存在してりう最も大きい2つのバブルだと言われています。この2つのバブルのどっちが弾けても、この世界に大きなインパクトを与えます。

勿論、この世界がかなり繋がっている事や、複雑な金融システムから考えると、場合によって、この2つのバブルのどちらが先に弾けても、もう1つのバブルも一緒に弾ける可能性すらあります。

そうなると、誰も、大なり小なり、その影響を受ける事になります。これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。では、又、次回、お会いしましょう。

関連ネット記事


中国の不動産バブル崩壊か…業界2位の不動産会社が破産の危機

9/10(金) ハンギョレ新聞

中国恒大の格下げ相次ぎ 株価1日10%急落、債券取引停止 過度な借入れ、事業拡大により困難に 21日の利息返済の可否が重大な岐路に  中国政府の規制強化・資金源締め付けで 他の不良企業に危機広がる可能性
000009132021 -B キンペー政策が引き金.jpg

 中国で第2位の巨大不動産開発企業が、3000億ドルを超える膨大な負債で破産に追い込まれている中、中国の不動産市場の「バブル崩壊」が始まるのではないかという見方が出ている。今回の危機の背景には、「共同富裕論」を掲げ不動産市場に対する強力な規制を示した習近平国家主席の「政治的判断」があり、今後の中国政府の対応に関心が集まっている。

 米国の格付け会社フィッチは8日、中国で第2位の不動産開発会社・中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)の格付けをCCC+からCCへと2段階引き下げ、同社の格付け危機が「非常に高い水準」と明らかにしたとロイター通信などが報じた。フィッチは中国恒大が「破産の可能性がある」と明らかにした。前日、別の格付け会社ムーディーズも中国恒大の格下げに踏み切り、「破産の可能性がある、または非常に近づいている」と評価した。中国恒大の負債は現在、1兆9700億元(3040億9700万ドル)にのぼる。

 2日にわたって格付けが下がった影響で、中国恒大の株価は9日、香港証券市場の取引開始直後に10%も急落した。中国恒大の株価は今年75%も暴落し、2009年の上場価格を下回る3.5香港ドル前後で取引されている。深セン証券市場は、同社の債券価格がこの日午前20%も急落すると、取引停止命令を下した。

 中国恒大の破産の危機は、負債の多い他の不動産開発会社へと広まっている。クレディ・スイスとシティバンクは、花様年控股集団(ファンタジア・グループ)など過度な負債を抱えている中国の不動産開発会社の社債を担保として受け入れることを停止したと「ブルームバーグ」が報じた。オンラインマーケット取引のプラットフォームのIGは、中国恒大が「伝染の危機」を造成していると評価した。金融情報会社のREDDは、中国恒大が21日満期の2つの銀行からの融資に対する利子返済を止めるだろうと報告した。これにより、21日が中国恒大の破産を決定する「重大な岐路」となりそうだ。

 中国の不動産業界が危機に陥ったのは、経済的理由だけではない。習近平国家主席は、中国内の不動産バブルが大きくなりオンラインプラットフォーム企業が巨大化する中で、「持続可能でない」経済成長に対する警告を送ってきた。大手プラットフォーム企業への規制を強化する一方、不動産資金源を締め付けた。みんなが一緒に豊かに暮らそうという、いわゆる「共同富裕論」だ。その影響を受け、中国不動産市場の新規住宅価格は、今年第1四半期にピークに達した後、20%も暴落し、土地価格も急激に下落している。

 中国恒大は1997年に許家印会長が広東省広州で創業した不動産開発会社で、環境を重視する革新的なデザインとサービスで人気の旋風を起こした。創業3年目にして広東省の1600あまりの不動産開発会社の中で10位圏に成長した後、2009年に香港証券市場に上場、7億2200万ドルの資金を確保した。その後、不動産バブルが膨らみ、許会長は一時、アリババの馬雲氏やテンセント(騰訊)の馬化騰氏と共に、中国の3大富豪に名を連ねた。しかし、過度な借入経営や電気自動車など、四方に広げた事業拡大による流動性不足で困難が大きくなった。

 中国恒大が21日の返済日を破った場合、中国当局が本当に破産を容認するかどうかはまだ不透明だ。「ガーディアン」は経済アナリストの話を引用し、、同社の破産は中国経済に深刻なショックを与えると警告した。

チョン・ウィギル先任記者、北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


恒大集団破綻の「Xデー」――中国の不動産バブル崩壊に備えよ
【朝香豊の日本再興原論 No66】

Daily Will / Will Online 2020年8月31日

中国一の不動産である恒大集団が破綻すれば、さすがの中国国民も「不動産が永遠に値上がりすることはない」と気づく…そんな考えに囚われているのか、不動産神話の崩壊を望むがごとく、イジメじみた仕打ちを続ける習近平。中国の不動産バブル崩壊のXデーが近づいているが、この時に恒大集団だけの破綻で済むはずがない。都市部の中国人の資産の78%が不動産だとされる中国で本格的なバブル崩壊が始まろうとしていることに、私たちは警戒心を持たねばならない。

目次
崩れ落ちる中国一の不動産ディベロッパー
不動産神話の崩壊を望む習近平
「恒大集団の破綻」に始まる中国崩壊のXデー

崩れ落ちる中国一の不動産ディベロッパー
 中国恒大集団(以下、恒大集団)は中国一の不動産ディベロッパーだった企業で、従業員数が約14万人、関連会社や下請け企業まで含めると約150万人の雇用と関わっているといわれる巨大企業である。だからこそ、恒大集団は中国の不動産バブル、土地神話の象徴ともみなされてきた。

 習近平は「住宅は住むために建てられるものであり、投機の対象ではない」と繰り返し発言してきた。だが、そうした言葉に中国国民は素直に反応せず、上海、北京、広州、深圳などの一線都市では不動産の値上がりが続いてきた。価格の高騰により、これら一線都市での不動産賃貸の利回りは2%にも達しなくなり、合理的な価格形成にはまったくなっていない。この利回りは中国国債の利回りをも下回る数値だ。

 不動産サービス会社のサヴィルズによると、天津市の高級住宅地にあるマンションの販売価格は1平方メートル当たりおよそ9000ドルで、ロンドンの最も高級な地域の物件の平均価格にほぼ匹敵する。しかし、ロンドン居住者の可処分所得は天津市の居住者の7倍もある。ロンドンでも幾分バブルが進んでいると見られているが、中国はそのレベルを7倍超えていると見ることもできる。しかも上海や深圳などの一線都市の住宅価格は天津などよりさらに高い。

不動産神話の崩壊を望む習近平
 国際決済銀行によると、2019年までの10年間において、世界で増えた家計負債の総額は約11兆6000億ドルにのぼるが、このうち57%を中国が占めたとされる。中国において、無理をした不動産の購入が着々と進んできた実態を如実に表している数字といえる。

 このため、不動産神話の崩壊を望む習近平から、恒大集団はイジメじみた仕打ちを受けてきた。すなわち、恒大集団が破綻するような事態になれば、さすがの中国国民も「不動産が永遠に値上がりすることはない」と気づくだろう、と習近平は考えたようだ。

 今年6月、中国金融安定発展委員会は、中国工商銀行など複数の銀行に対して、恒大集団に問題が生じた場合、資本や流動性にどのような影響が及ぶ可能性があるのかを調べるように求めた。恒大集団を名指しして行っているだけでなく、これまでよりも上位の監督当局が直接乗り出していることから、「今後は恒大集団に追い貸しするな」という金融当局からのメッセージだろうと受け止められている。銀行側は相次いで恒大集団向けの融資について新規の追い貸しを認めず、返済期間に全額返すことを恒大集団に一斉に求めるようになった。

 また、恒大集団は香港本部ビルの売却交渉を進めており、電気自動車や不動産管理部門を扱う関連企業も売却の対象としている。恒大集団はまだ800億ドル(約8兆8000億円)相当の株式を保有していると見られ、これらを売却することで、まだ延命を図ることができるとされている。関連企業である中国恒大新能源汽車集団及び恒大物業集団の株式の売買を進める方針を恒大集団は明らかにしている。

 8月25日に恒大集団は今年の1〜6月期の決算を発表したが、この決算は今の恒大集団の実情を示すものとなった。この半年間の純利益は90億元(約1500億円)〜105億元(約1800億円)だとされているが、中核業務である不動産事業では40億元(約680億円)、電気自動車部門で48億元(約820億円)の損失を計上しているのである。生じたことになっている「純利益」は保有株式の売却によってもたらされたものにすぎない。完全に「タコ足」状態になっているのである。

00000913 - C エミの裏で何を考える.jpg

「恒大集団の破綻」に始まる中国崩壊のXデー
 保有株式の売却も順調に進んでいるわけではない。恒大集団と取引関係のあるパイプメーカーの永高は、恒大集団から降り出された商業手形4億7800万元(約81億円)のうち、その4割に相当する1億9500万元(約33億円)が支払い期日を過ぎていることを明らかにした。格付け会社S&Pグローバルによると、今後12カ月に支払い期日が到来する取引先向けの手形や買掛金は2400億元(約4兆円)を超えるとされている。

 また、6月には深圳で進行していた恒大都会広場の工事が急遽中止に追い込まれ、8月には江蘇省で行われていた漯河恒大悦府や、同じ江蘇省の鎮江句容紫東で始まっていた恒大文化旅游城住宅、太倉恒大文化旅遊城のプロジェクトが相次いで中止させられた。加えて、雲南省の金碧天下二期隽翠苑や坤海湖の二つのプロジェクトも中止になった。取引先企業に工事代金の支払いが順調に進まないとみなされたためである。

 そして8月17日に、創業者である許家印氏が董事長(会長)職の辞任に追い込まれた。

 恒大集団はいよいよXデーが近づいている。この時に恒大集団だけの破綻で済むはずがない。

 習近平は値上げも値下げも認めないというやり方でこの危機を乗り切ろうとしているが、それがうまくいくことは考えられない。これまでは中国の人たちは将来の値上がりの期待で買ってきたのであり、値上げが認められないのであれば手放したいと思うのは当然だからだ。ローン金利の負担も重く、この負担から逃れるために支払いを停止しようとする人たちがどんどんと溢れていくのは必然である。人為的に換金売りを認めないとするのは、実質的には価格がないのと同じになる。

 都市部の中国人の資産の78%が不動産だとされる中国で、本格的なバブル崩壊が始まれば、当然世界経済は混乱を免れない。経済の悪化により中国が弱体化することは日本にとって恩恵とも思える一方、その混乱に巻き込まれ、日本経済が中国よりさらに弱体化してしまえばまさに本末転倒だ。いま中国に起きていることに目を背けず、警戒心を持ったうえで官民ともに「Xデー」に向けた準備を進めるべきであろう。

朝香 豊(あさか ゆたか)
1964年、愛知県出身。私立東海中学、東海高校を経て、早稲田大学法学部卒。日本のバブル崩壊とサブプライム危機・リーマンショックを事前に予測、的中させた。現在は世界に誇れる日本を後の世代に引き渡すために、日本再興計画を立案する「日本再興プランナー」として活動。日本国内であまり紹介されていないニュースの紹介&分析で評価の高いブログ・「日本再興ニュース」の運営を中心に、各種SNSからも情報発信を行っている。新著『それでも習近平が中国経済を崩壊させる』(ワック)が好評発売中。

さぁ、最後に気分転換にHaranoTimesさんがアップして下さったプーの唄
どうぞ( ^^) _旦~~




政治ランキング


全般ランキング

この記事へのコメント