梅爺に護ると言われても、どこまで信じて良いモノやら。緊張続く台湾海峡

10292021  よくわからない米タイワン政策.jpg

台湾問題を巡って、米中の対立が激化している、
アメリカが曖昧戦略を調整したことに対して、中共は下がるのか、
それとも、無能なバイデン政権とさらに対立するのか?

Harano Times 2021/10/29



皆さん、こんにちは。アメリカと中国の対立は激化し始めています。最近、米中対立を更に激化させる幾つかの事が起きました。その対立が激化している中心になっているのは「台湾」です。

最近、このチャンネルでは台湾の話をする事が多いですが、その理由は、今、この世界で戦争の引き金になる可能性が1番高い所は台湾ですし、日本も巻き込まれますので、状況を注視する必要があると思います。

先ず、バイデンの動きから話をします。バイデンは10月27日にオンラインで東アジアサミットに参加した時、中国の台湾に対する脅迫について話をして、アメリカの台湾に対する約束について話をしました。

これは彼がホワイトハウスに入ってからの3回目です。彼はそのサミットで、

「アメリカは中国の台湾に対する脅迫に心配をしている。それは地域の平和の脅威にある。アメリカの台湾に対する約束は、裏切る事は無いし、今迄のアメリカの各政府もそう思ってきた。アメリカは今迄通り、台湾海峡と地域の平和を守る」と言いました。

その後、ホワイトハウスも声明を出しました。その声明で、
「アメリカは民主・人権・法治と海洋の自由を守る」と言いました。

これはバイデンが台湾に対する約束について話をした3回目です。

1回目は8月19日バイデンがABCのインタビューで台湾について話をしました。その時、バイデンは台湾に対する約束とNATOに対する約束を同じ位の重要性があると発言をしました。

私は当時、彼の言い間違いである可能性があると言いました。しかし、その後は、そのインタビューはライブ配信ではないので、もし言い間違いなら、放送する前にカットされた筈という意見もありました。

2回目はつい最近の10月21日です。バイデンはCNNが主宰したタウンハウス・ミーティングで「台湾を守るか?」という質問で、バイデンは「ハイ」と回答して、司会者が「もし中国が台湾を武力で攻撃した場合、台湾を守るのか?」と具体的な質問をした時、バイデンは「ハイ、我々はそうすると約束をしている」と言いました。

その後、国防長官オースティンが「アメリカと台湾との関係に変更がありません」と言いました。

この国防長官の話を見て、一部の人は、オースティンはバイデンの行き過ぎた約束を少し後ろに引いていると理解しているし、それはバイデンの話の補足と理解している人もいます。

それで今回皆さんに紹介したのは、彼が話をした3回目です。

1回目について、中国の外交部も「それはバイデンの言い間違い」と話をしましたが、2回目、3回目から中国の外交部は、もう「言い間違い」という言い方を使わなくなってきました。

バイデンが連続で、台湾を守るという話をするのは、もう単純な言い間違いで説明できなくなって来ています。

アメリカは中国と台湾の間で、曖昧な戦略をとってきました。これはアメリカの柔軟性を保つ為の方法で、中国と台湾両方にプレッシャーを与えるやり方です。

アメリカが曖昧な態度をとっているというと、一般的に中国が台湾を攻撃する事を検討する時に、アメリカが参戦する可能性も考えて、戦争を起こし難くしていると思われています。勿論、それは正しいですが、半分しか説明が出来ていません。

実は、その曖昧な戦略は台湾が勝手に中共を怒らす事をしない様にする為でもあります。もし、アメリカがハッキリと「台湾を守る。台湾と一緒に戦争をする」と言った場合、アメリカは台湾が本当に中共と戦争を起こしてしまう可能性があると心配します。

ですので、この曖昧な戦略の本質は、アメリカが台湾海峡で軍事衝突が起きて、自分まで巻き込まれる事を避ける為に、どっちを助けるかをハッキリ言わない方法で、台湾海峡で戦争が起きる可能性を下げる為の戦略です。

結果から見て、この戦略には効果があります。では何故、今、アメリカはこの様な今迄効果があった曖昧な戦略を少しづつ変えているのでしょうか?

トランプ政権がこの様な事をすると、これは中国と対立する為と理解しやすいですが、バイデン政権まで、この様な事をすると、その本音が理解出来ないと思う人が多い筈です。

バイデンの失敗したアフガン撤退が起きた後、バイデンは同盟からの信頼を失ったので、他の所から、その信頼を取り戻す可能性があるので、台湾に対する約束を強化する可能性があると話をしました。

同じく、アフガン撤退で、中国はバイデン政権の無能を見て、台湾を攻撃しても、アメリカが台湾を守らない可能性があると思った筈です。中共は中国国内でも、台湾でも、アメリカは台湾を守らないと大きく宣伝し始めました。

今月、中国が台湾の防空識別圏に大量の戦闘機等を送り込んだのも、バイデン政権の無能を知っているから、少しづつ自分のラインを前にズラしている事になります。

バイデン政権がこれ以上に中国が前進すると、本当に摩擦が起きて、アメリカが巻き込まれると考えて、曖昧政策の天秤にケイシャク(?)を付けています。

バイデンが何回も台湾を守る事について話をした事、サリバンと楊潔篪がスイスで緊急会談を行った事、米軍と他の同盟が沖縄周辺で軍事演習を行った事、米軍が台湾に駐留している事を公開した事…等は、アメリカが口頭と行動で台湾を守る事で、自分の立場を明確にして、中国を牽制している事になります。

その根本にあるのは、アメリカは台湾海峡で問題が起きて、戦争が起きる事を避ける為です。

今迄の曖昧な政策も、今、少し明確になっている政策も、アメリカが台湾海峡で戦争が起きない様にする為のモノで、中国の態度・立場・行動などによって、そのバランスを調整しています。

では何故、今アメリカは台湾側に立つと、逆に台湾が問題を起こす事に、そこまで心配していないでしょうか?

今迄、曖昧な戦略をとってきた理由は、国民党は大陸を取り戻す事を自分の目標にしていましたし、中共も、もし台湾が独立すると、台湾を攻撃すると言ってきました。

しかし今の民進党政権は、中華人民共和国を認めるというスタンスになって、中国大陸を取り戻す事なんて考えていません。今迄そう主張してきた国民党は、皮肉な事に、既に中共の台湾にいる支部の様なモノになってしまい、台湾の国民からの支持を無くしています。

台湾の国民党が変わらない限り、台湾の政権をもう取れないでしょう。独立の事については、今の台湾は既に独立国家です。国際社会は中共の影響で、口では言えなくても、そういう認識をしています。

今の台湾もそれを知っていますので、口先で中共に対して、独立宣言をして、摩擦を起こすより、この規定事実を守る事を最優先にして、国際社会と融合する様にしていますので、今の台湾が自ら中国と摩擦を起こして、アメリカを戦争に巻き込む可能性が昔と比べると、かなり少なくなっていますので、アメリカが天秤にケイシャク(?)を付けても良いと判断した可能性が高いです。

バイデンの発言だけでなく、ブリンケンも台湾を国連のシステムに入れるべきと言って、国際社会にアメリカと一緒に台湾を国連のシステムに入れる事を支持して欲しいと呼び掛けました。

勿論、いきなり国連に入れる事ではなく、先にWHOや国際民間航空機関の様な組織に入れるべきと呼び掛けています。

10月25日は中華人民共和国が中華民国の代わりになって国連に入った50周年記念日になるので、ブリンケンはこの切欠でその様な発言をしました。

その事を決めた決議の番号は、2758番になりますので、中共はよく、2758番の決議を以て中華人民共和国は中国と台湾の唯一の合法的な政権、国連にある唯一の代表であると国内外で宣伝をしてきましたが、実はその決議に台湾の事が全く出ていないし、中華人民共和国が台湾を代表する事についても書いていないです。

アメリカは今、中共がその決議をもって、台湾を国際社会から追い出す事は間違っていると台湾をサポートする様になってきています。

当時、アメリカは色んな理由で、中共を支持して、中共を今の自分の強敵にしてしまいましたので、かなり遅いかもしれませんが、中共が台湾を代表しているのかという法的根拠から少しずつ立場を変えようとしている事が分かります。

しかし、今の国連の制度が変わらない限り、中共が国連の常任理事国になっている限り、台湾を国連のシステムの中に入れる事はかなり阻害を受ける事になります。

バイデンが3回目のアメリカは台湾を守るという話をした後、蔡英文総統はCNNの独占インタビューを受けました。

このインタビューはバイデンのその発言に合わせて出たモノと考えても良いです。バイデンが2回「台湾を守る」と言った後、蔡英文総統はかなり控え目の対応をして、アメリカは台湾を守る等の事をしませんでしたが、バイデンが3回も同じ事を言った後、蔡英文総統はこのインタビューを受けて、今迄なかった強いメッセージを発信する様になりました。

どのインタビューで出てきた最も強いメッセージは、彼女がアメリカ軍が台湾に駐留している事を認めた事です。

これは1979年以来、初めて台湾に米軍が存在する事を公にした事になります。蔡英文総統1人の判断で、この様な情報を公開する事は出来ないので、アメリカ側と相談した結果です。

これは中共を刺激する事になりますが、それと同時に、中共に対する抑止力にもなります。それ以外、蔡英文総統は何故アメリカと国際陣営が台湾を助ける事を信じているかの理由を言いました。

彼女は3つの理由を出しました。

1.台湾は平和と自由な民主主義の国で、多くの民主主義国家と価値観を共有している。

2.台湾の地理には、重要な戦略意義がある。

3.台湾は半導体のサプライチェーンの中で、重要な機能を発揮しているので、多くの国が台湾を守る事で、共通の利益がある

と言いました。彼女は、自分の能力がある限り、台湾は自分を守る。それと同時に、友達と同じ意志がある国のサポートも得ていると言いました。

アメリカ側の行動と、今回蔡英文総統とのインタビューの内容から、アメリカは台湾海峡で、自分の曖昧な政策を調整し始めている事が分かります。

その理由は、中共が継続的に台湾海峡の緊張を上げていて、アメリカが戦争を回避する為に、政策を変えないといけなくなっているからです。

これらの変化を引き起こしたのは中共自身です。中共が台湾を攻撃するすると言い続けた1番大きな目的は、本当の軍事面の話ではなく、どちらかと言うと、政治面でのアピールにないますが、中共はこの道で行き過ぎたので、逆に国際社会の警戒心を引き立てる事になりました。

勿論、これらの事に対して、今、中共は怒っています。環球時報の編集長もかなり厳しいコメントをして、「中国が戦争の主導権を握っている。いつでも台湾を攻撃出来る」と言っています。

アメリカは段々自分の態度を強くしていますが、中共はどう思うのか?このプレッシャーで態度を弱めるのか、それとも引き続き、バイデン政権は無能と思って、逆に又、強硬になるのかについて、これからも注視して、皆さんに紹介していきたいと思います。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。

(※今回は、何度聞き直しても、天秤にケイシャク(?)としか聞き取れませんでした。ケイシャクが一体何なのか不明の侭で申し訳ございません。部分的に意味不明の箇所があっても、全体として意味が分かれば良い…と勝手に妥協させて頂きました。)


政治ランキング

ニュース全般ランキング

全般ランキング

政治・社会問題 人気記事 一覧 経済・社会ブログ天紹介所

この記事へのコメント