有り得そうな話なだけに、背筋に冷たいモノが走ります…世界が、この地球が存続し続けます様に…(*˘人˘*)

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この絵は月刊hanadaプラス[読書亡羊]米中戦争は「必然なのか?」エリオット・アッカーマン、ジェイムズ・スタヴリディス『2034 米中戦争』(二見文庫)より借用しております。

【日本語字幕】
『2034』著者が考える、台湾侵攻のシナリオ 、
スタヴリディス提督インタビュー James Stavridis

Harano Times 2021/12/12




あなたもよく知っている私の友人の多くはこう言いました。
「本当にいい本を書いたけど、『日付』が間違っているよ」
「もっと近い将来に起こるよ」と。
戦争は2034年よりも前に起こる可能性があると言う意味です。
そうなって欲しくないですが、


皆さん、こんにちは。小説『2034』は元NATO軍最高司令官を務めていた
ジム・スタヴリディス退役海軍大将によって書かれた小説で、
アメリカではベストセラーにもなりました。

日本を含む世界各国でも出版されて、元アメリカ政府の高官から
『未来への警告書』としても評価されています。

「この本について動画を作って欲しい」という動画のコメントも
ありましたが、私は未だこの本を読んだ事がありませんので、
今回はこの作者が受けたインタビューを皆さんに紹介します。

今回の動画で少しだけネタバレがありますので、ご了承下さい。
彼のインタビューから、彼は中国のサイバー戦争での実力が
アメリカが対抗出来ないレベル迄、
成長していく事を心配しています。

彼の小説でも中国のサイバー戦争での実力は、
中国がアメリカを抑圧した大きな理由でした。
動画の最後で、私の簡単な見解についても話をします。
では、どうぞ。
イアン:ジム・スタヴリディス元NATOの連合軍最高司令官で、新刊『20.3米中戦争』はニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストに入っています。おめでとうございます、ジム!

ジム:ありがとう、イアン
小説では、キャンバスに絵具をぶちまける事が出来ます。楽しかったです。

イアン:分かります。アメリカと中国の間で戦争が起こるという設定で、2034年までにはアメリカは世界に於ける軍事的優位を失っているというストーリーですが、本当にそうなる可能性はどの位あると思いますか?

ジム:多くの人は、私が『予言的なフィクション』を書いたと言っていましたが、おうではなく、これは『警告の書』なのです。

質問の答えですが、私はアメリカ人がこの事に目覚めつつあると感じています。アメリカが辛うじて維持している軍事的優位を失いつつある事等についてです。

来るべき課題に注意を払い、中国の決意の強さを理解すれば、軍事的優位を維持する為の時間はまだあります。

ですから、確率的にはその優位性を保てると思いますが、同時に心配もしています。従って『2034米中戦争』は、注意を喚起する本なのです。

イアン:現実にならなかったとしても、現在起きている事から目を背ければ、世界のパワーバランスが決まってしまう」という事ですね?

ジム:その通りです。その主な理由は、ご存知の通り、中国は国防予算を非常に賢く使っているからです。中国はサイバー攻撃、宇宙の軍事化、量子コンピュータの利用等に力を入れています。

これらの分野は急速に進化しており、我々はサイバーセキュリティの全体構想を描き直す事になるでしょう。他のも極超音速巡行ミサイル等、挙げればキリがありません。

中国は賢くお金を使っており、彼らの一貫した地政学的経済戦略とも合致しています。中国は手強い相手であり、今後もそうあり続けるでしょう。

イアン:この本にはかなり恐ろしい内容が書かれています。戦艦が沈没したら、戦術核兵器が使用されたりします。今後中国政府がどの様にして、軍事的な一極集中を実現し利用していくのかについて、本の内容を少し聞かせて下さい。

ジム:あなたも知っている私の友人の多くは、こう言いました。
「本当に良い本を書いたけど、唯一『日付』画」間違っているよ」
「もっと近い将来に起こるよ」と。

戦争は2034年よりも前に起こる可能性があるという意味です。そうなって欲しくないですが。中国は、昔ながらの方法で、進めてくるでしょう。

国民を教育し、膨大な数の高等教育を受けた中国人を排出しています。中国政府は、本来アメリカがもっとやるべき分野での研究開発に資源を投入しています。又、最先端の技術を持つ軍事大国ロシアとの協力関係を強化しています。

中国政府は、私が彼らの立場だったら、やるだろうことを全てやっているのです。彼らが持つ大きなアドバンデージは、合理化された政府体制である事です。財源を集中させる為に、国会で激しい議論をする必要もありません。

我々はこの事に気付かなければなりません。率直に言って、連邦議会の動きには勇気づけられるものもあります。引き続き、中国と対峙していく為に、超党派で課題に取り組む様になってきています。

イアン:中国が拡充している軍備に比べて、アメリカの軍事力は陳腐化しているのでしょうか?

ジム:それは白黒ハッキリ言えるものではなく、単純な二元論で語れません。昔ながらの軍事プラットフォームを拡充するか、それを完全にやめて、中国が進めているハイテク技術に切り替えるかという話ではないのです。

ダイニングルームの調光器の様なモノだと考えて下さい。陳腐化の問題があるのも事実です。大まかに言うと、研究開発の75~80%は依然として昔ながらのシステム、つまり大規模な陸上装備、戦車、空母等に費やされています。

勿論それらが役立つシナリオも考えられます。しかし、先程話した様な最先端技術の方向に、調光器のダイヤルを動かし始めた方が良いでしょう。中国は既にそっちに舵を切っているワケですから。

先程合理化された政治体制について触れましたが、中国は民主主義体制の煩雑な手続き等に煩わされる事なく決定・実行出来ます。

イアン:アメリカの政府組織は複雑で、合理主義・独裁主義的な政府とは違うという話をしましたが、何よりも注目すべきは、新技術の領域で最も大きな進歩を遂げているのは民間企業だと言う事です。

この先15年間アメリカが本気でこの問題に取り組むとしたら、アメリカの主要ハイテク企業の役割はどうなりますか?

ジム:氷山を思い浮かべて下さい。政府は水面上に出ている先端部分でしかなく、見えない塊、即ちアメリカのの軍事力の大部分は民間企業が担っています。

ですから、何らかのインセンティブを与えると同時に、うまく誘導すれう事も必要なのです。その為の努力が必要です。アメリカ国民の心の中に問題意識を定着させるには、中国が世界中で何をしているか監視し続ける事が必要です。

香港での取り締まり、ウイグル人の投獄、台湾やチベットへの圧力、中印国境問題、同盟国オーストラリアへの経済制裁に至るまで、挙げればキリがありません。忍び寄る影にアメリカは目を覚ますべきです。

イアン:話をテクノロジー企業に戻しますが、つまり、中国本土で、iphoneの大部分を製造しているAppleや、先進的なバッテリーを中国企業と共同で開発しているテスラの様な企業は、十年後には今のビジネスモデルを維持できなくなるという事でしょうか?

ジム:私には分かりません。誰にも分からないと思いますが、これだけは言えます。非常に厳しく、迅速に見直す必要があります。

「重要なサプライチェーンは何か?」
「生産拠点をどこにするか?」
「絶対に国外に出さない、若しくは少なくとも余剰生産力を確保すべきものは?」

今回のテーマに沿ったテクノロジーの話をしましたが、医療品やバイオテクノロジーも精査が必要な分野だと思います。

依然、この話をしたと思いますが、中国との関係を完全に断ち切って、二極化した世界を作るのは間違いだと思います。その必要はありません。

しかし先程話した分野に於いて、中国との関係を『ねじ曲げ』ていく必要があると思います。南シナ海の劉勇健問題も含めて、中国との関係を『ねじ曲げる』けれども、『へし折る』事は避けるのです。何故なら、その先にあるのは戦争だからです。

イアン:では、実際どの様に『ねじ曲げて』いくかですが、貴方は最近、防衛力の『原始化』を呼び掛けています。その意味を少し説明して下さい。

ジム:再び海事用語を出しますが、大昔の80年代初頭に海軍兵学校を卒業した時、私は六分儀(ろくぶんぎ)扱いに長けていました。航海暦や紙の海図の使い方も知っていましたし、船の操縦も出来ました。

キャリアの中盤には、私は『2034米中戦争』の冒頭のシーンに搭乗する司令官の様に駆逐艦を指揮し、その様なスキルは忘れられ、もう誰も六分儀を使わなくなりました。車を運転する様に、皆普通にGPSを使っていました。

しかし現在のアメリカ海軍は、見張りに立つすべての士官が六分儀の使い方を知っている事を求めています。要するに、『プランB』が必要だという事です。

タリバンやアルカイダに対しては、無敵だった為、我々が深く依存する様になったこれらの精密なシステムは、最早無敵ではないからです。勿論、精密なシステムは未だ必要ですが、もしそのシステムが攻撃された時の為の『プランB』が必要なのです。

『2034米中戦争』に最初に登場する戦闘機は第6世代の統合打撃戦闘機で、それがイランに謎の不時着をしたのは偶然ではありません。

小説の終盤では、旧式のF/A-18ホーネットが登場しますが、この原始的な戦闘機に国防任務が託されます。だから『プランB』が必要なのです。

イアン:更に突っ込んで聞きますが、昔ソ連が脅威であった時代に、我が国は『プランB』を持っていませんでした。核兵器に有効なミサイル防衛シールドを作らなかったのは、双方があのレベルの異常な核攻撃を持っている場合、お互いに着弾を阻止する方法が無い事を知っていたからです。

つまり『相互確証破壊』がありました。米・中・露のサイバー攻撃力を比較すると、それに対する防御手段が無い程圧倒的な攻撃力を中国が持っているワケですが、アメリカも同等の攻撃力を配備すれば良いのでは?

六分儀など何の役にも立たない程の高度なサイバー攻撃力を米中双方が持つ、サイバー版『相互確証破壊』を実現する事は出来ないのですか?

ジム:本当はアメリカもそれを実現したいのです。我々は冷戦の歴史を振り返り、長崎・広島への原爆投下から最先端システムや核関連の国際法規条約に至る迄再検証すべきです。

そこから得られる教訓は、サイバーの世界にも応用出来るのではないかと思っています。何故なら、テクノロジーはその様な高度は攻撃力を獲得しつつあるからです。これが今後の戦略策定の形です。

ある程度の戦略策定はシンクタンクや政策文書によってなされますが、現実の世界では何の役にも立ちません。私は、米・中・露の関係を考える上で、この点をかなり重視しています。戦略には戦術的な内容も含まれます。

六分儀や旧式ホーネットを必要に応じて『墓場』から掘り出せるシステムです。冷戦時代には、現在の様に指揮系統ネットワークを失うリスクはありませんでした。ソ連によるチョットした妨害はありました。

しかし、現在の中国の様に、指揮系統を完全に崩壊させる能力はありませんでした。この様に、戦略的な側面と戦術的な側面があります。

イアン:今、大規模な軍事衝突の可能性が最も高い場所は何処だと思いますか?

ジム:台湾です。私の言葉を鵜呑みにしないで欲しいですが、懸念は益々高まっています。

陸・海・空軍、海兵隊、沿岸警備隊等、米軍全体を統括するインド太平洋司令部の指揮官、デビッドソン提督の話を聞いて下さい。

この地域での中国の行動、特に台湾周辺での悪質な軍事行動等は、中国がスピードを上げてきている事の表れです。我々はそのスピードを抑える為に、態勢を整える必要があります。

彼は、今後6年以内に中国が台湾を攻撃・侵略する可能性を非常に懸念しています。その為、彼は考えられる限りの重要情報に目を通しています。彼は朝起きたら、まず中国で何が起きているかを確認しているのです。

彼は早ければ6年以内に発生する懸念を公の場で表明しています。これは非常に注目すべき発言ですが、私自身の考えとも一致します。

イアン:台湾有事の『引き金』とは、どの様なモノを想像していますか?

ジム:中国が台湾に対して「今だ!」と考えるとしたら、それは例えば『アメリカは混乱している』と彼が感じた時だと思います。私たちは1月6日に酷い混乱を経験しました。アメリカ議会は真っ二つに割れています。

中国は『今がその時だ』と考えているかもしれませんが、それは間違った判断です。彼らが侵攻を開始するとしたら、次の様なシナリオを考えています。

台湾社会には既にかなりの数の潜伏工作員が投入されていると思います。彼らは中国の特殊部隊と連携し、飛行場を制圧します。海と空に於ける台湾の防衛ラインを文字通り『飛び越えて』侵攻するのです。

又、台湾の東側の海域に多数の艦船や潜水艦を配置して、台湾を支援しようとやってくる我々を待ち構えます。これらは全て誤った判断によって引き起こされるワケですが、実際にその様な事態が数年以内に起こる可能性を否定出来ません。

イアン:以上、ジェームズ・スタヴリディス提督の新著『2034米中戦争』をご紹介しました。どうも有難う、ジム。

ジム:ありがとう、イアン


彼の小説では、米中の間で核戦争が起きます。前回皆さんに紹介しましたオーストラリアの元少将は、アメリカは簡単に核兵器を使わないという観点でした。

『2034』は小説ですが、作者の観点を一部表すモノにもなりますので、この様な所からも、台湾海峡の問題や、米中対立から起きる可能性がある戦争について、世界の軍関係者の中でも見解がかなり異なる事が分かります。

最近連続で、台湾海峡の危機、米中戦争関連の動画を皆さんに紹介しましたが、此処では何かを煽っているワケではありません。私はこのチャンネルで今迄話してきた見解を未だ変えていません。

習近平は自分の権力、又は、共産党の存続を守る為に、台湾に対して攻撃しないといけないという間違った判断をしない限り、勝てそうもない戦争を始める筈がありません。

根から腐っている解放軍には、世界大戦をする実力が無いし、共産党も戦争の衝撃に耐えられるシッカリ団結した組織ではありませんので、今の状況から考えて、近い将来、共産党は台湾攻撃を始めないと思います。

でもこれは私の様な、国防の事に直接責任を持っていない人が、呑気に話して良い事で、国防に関わっている政治家や軍人は、私の様な見解をもって、国防の事を怠慢してはいけません。立場が全然違います。

軍人として、政治家として、シッカリと敵の動きを見て、常に警戒心を持って、準備をしていかなければいけません。ですので、最近皆さんに紹介した軍人たちが、シッカリと危機を認識して、実際に行動を起こす事を促している事は、とても良いと思います。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。


オマケ関連動画

米中核戦争シナリオ「2034」を検証する
【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2021年7月21日)



完全解説「2034」“米中核戦争”の結末は?
【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2021年8月7日)





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