経済専門家のリコちゃんですら信じていない      あの国のGDP…高い数値と言われても… 

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2021年中国のGDP成長率は逆境の中で8.1%、
それは本当に中国経済の実態?
習近平がアメリカの金融政策変更に文句、
なぜ?マイナス要素満載で始まる2022年!
なぜ中国のGDP成長率は重要なのか?など

Harano Times 2022/01/21




皆さん、こんにちは。中国の経済問題はズッと世界の注目を集めています。特にパンデミック、習近平の産業殺し、不動産危機等の事がありますので、中国の元々構造上問題がある経済が更に悪化しました。今も悪化し続けています。

この様に世界が中国の経済悪化を心配している時、中国の2021年GDP成長率は8.1%という結果を出しました。2021年の経済成長の目標は6%でしたので、その目標を超えるかなりの高成長を達成しました。

中国のデータは信用出来ないという事を取り敢えず置いておいて、この経済成長の数字を各四半期毎に見てみると、その傾向が分かります。

2021年第1四半期の成長率は18.3%です。この数字は非常に高かったです。1番大きい理由は、2020年コロナの影響で経済はそこ迄良くありませんでした。
それで、中国が他の国より比較的早くコロナ感染の第一波から逃れて、比較的早めに工場の生産を再開して、他の生産が停止した国からの注文が殺到して、輸出貿易がかなり成長しました。この2つの理由が重なって、2021年第一四半期の成長率は高かったです。

その後、第2四半期は7.9%、第3四半期は4.9%、第4四半期の成長率は4%になりました。つまり中国の成長率は去年1年間を通して下がり続けました。現時点で中国の経済に関する良いニュースはありません。

つまり今年2022年の第1四半期の成長率は嘘をつく事を考慮して、良くても
5%を超える事は無いし、場合によって、その傾向が継続して4%以下になる可能性もあります。

仮に去年の経済をその侭引き継いだとしても、今年に入って既に中国経済のマイナス要素が出ています。その中の一部を紹介しますと、先ずは北京オリンピックです。

オリンピックは経済を牽引する効果があると言われていますが、でも、無観客のオリンピックを経済の視点から見ると、効果がありません。それだけでなく、東京の無観客オリンピックと違って、中共はオリンピックの期間中、北京、河北省周辺のかなりの工場の生産を止めます。

その目的は皆さんがご存知の通り、空気を良くする為です。空気を良くする為に、汚染が酷い川上の工場の生産を止める事になります。

コロナの影響等を総合的に考えると、それらの企業の第1四半期の生産はもう無いと考えても問題ありません。川上の製品の生産が停止して、原料が不足して、価格が上がると自然とその価格の上昇は、川下へ伝わって、最終製品の価格が上がる事になります。

個人の消費が落ち込んでいる今、価格上昇は消費を更に抑える事になります。又、今回中共は北京でオミクロンの感染が始まった事を、中共らしく、それは海外の郵便物経由で感染されたとその責任を最近台湾と関係を改善しているカナダに投げました。

去年中国からの商品にコロナウイルスが付いているから買わない様にという話があった時、中国政府は、商品経由で感染する事はあり得ない。科学的根拠が無い事を批判しました。

しかし今になって、感染の理由は海外からの郵便物だと言っています。中共と世界各国は、それは有り得ない嘘であると知りながらも、中共はその演技を継続して、世界各国はその演技を見ている感じになっています。

もう面子が要らない中共にとって、それはもうどうでも良い事かもしれません。でも、中国はその嘘に対価を払わないとイケマセン。中国は既に海外からの郵便物の検査を厳しくしました。

それ以外、海外からの買物を自粛する様にと要請しています。中国の要請は強制ですので、今迄、海外から物を安く買って中国で販売してきた人のビジネスは暫くやられる事になります。

それは中国で約2千億元の産業だと言われていますので、中共がついた嘘を支える為に、その産業を殺した事になります。

又、海外からの郵便物を開けて消毒する話も出ています。もし本当に、それを実施すると、プライバシーに大きな問題が出るだけではなく、郵便物の効率が悪くなるし、郵便を使う人が減るから、物流業者の業績もかなりやられてしまいます。

オミクロンの感染は早いですが、症状は軽いです。しかし中国は引き続き厳しいコロナゼロ対策をとっています。

それで中国の生産が止まって、世界のサプライチェーンに影響を与えます。結局そのせいで、世界のインフレが更に深刻化して、アメリカの連邦準備銀行が利上げしないといけないプレッシャーも上がり、アメリカが利上げすると、中国の外貨が更に外に流れてしまう可能性が大きくなります。

中国の物流問題と、アメリカの利上げの関係性はかなり弱く見えると思います。でも、中国が世界のサプライチェーンに与えるインパクトから考えると、その可能性は十分あります。

此処で軽く例に出した事から、今年、中国の経済はかなりヤバイ所から始まる事が分かります。

ここで、アメリカの利上げの話がありました。アメリカが利上げする事は、もう既に視野に入っています。今、世界範囲でインフレが深刻化していますので、それを抑制する為に、各国は利上げ等でインフレの改善をしようとしています。

これは経済が過熱する時に使う方法です。中国の経済成長率は8.1%に達したので、その数字だけを見ると、経済の成長率はかなり良いと理解出来ますが、しかし中国は利下げする事を決めました。

この成長率から考えて、利上げしても問題ない位なのに、利下げしている事から、中共は中国の今年の経済成長が減速する事の心配をしている事が分かります。

しかも去年の年末頃、中国中央銀行は預金準備率を下げる事によって、銀行の手元資金を上げて、ローンを出し易くしました。その上、今回の利下げですので、マーケットに資金を供給する為に、相当力を入れている事が分かります。

中共が今、1番心配しているのは、中国の経済を支えている不動産市場です。ローンを借り易くしたのも、利息を下げたのも、中国の不動産市場を支える為です。

企業がローンを借りて倒産を避ける。一般消費者がローンを借りて不動産を購入し、不動産企業の在庫を消化します。これは中共が考えているシナリオです。

しかし最近公開された実際のデータを見る限り、ローンを借りる人、又は、ローンを組む企業はそこまで増えていません。これはかなりマズイ状況でもあります。

安い資金があっても使わない理由は、多くの人は将来の経済が良くなると思っていないからです。経済の将来に対する希望を失くす事は、最もヤバイ事だと言っても過言ではありません。

将来は明るいと思うと、企業は大胆に投資して、個人も過度な心配をせずに消費が出来ますが、この状況から1番洗脳されている中国国内の人もやはり肌で感じている実態を根拠に、消費・投資を抑えている事が分かります。

又、アメリカが利上げして、中国が利下げすると、国際資本はドルを利息が高いアメリカに置く様になりますので、中国の元々減少している外貨が外へ流れてしまう事になります。

それだけでなく、お金持ちの中国人や企業は、これからマーケットで溢れるお金を外へ移そうとします。ですので今年中共は、資金の管理を更に厳格化して、資金が外へ流れる事を必死に止める筈です。

最近開催されたオンライン・ダボス会議で、習近平は「主要国が急に金融政策を変える事は、世界の経済・金融の安定の大きなリスクになる。発展途上国が最初にそのインパクトを受ける」と言いました。

此処で彼が言っている主要国の金融政策の変更は、アメリカがインフレ対策でこれから緊縮財政政策に舵を切る事を指しています。

ウォールストリートジャーナルは習近平のこの話を取り上げて、習近平はアメリカの連邦準備銀行向けにメッセージを発信していると言いました。もし中国がこう言われたら、記者会見でアメリカが内政干渉していると批判している筈です。

習近平のこの様な発言からも、アメリカの金融政策の変更が今の中国の経済にダメージを与える事の心配をしている事が分かります。

習近平は中国の最も活力のある民間企業を殺しながら、中国の経済をただ資金を注入する事で良くしようとしても意味がありません。

習近平は最近の国際会議で、中国の経済をもっと良くするという話をしています。それは海外の企業向けのただのメッセージに過ぎません。彼が実際にやっている事や、今迄、重要な会議で出してきたメッセージから、改革開放を否定する方向に向かっている事が分かります。

視点を変えて考えると、今回中国が利下げする事は、習近平の今後の大きな目標にとってはプラスです。

去年年末の動画で、規律検査委員会が中国の中央銀行を調査して、中国中央銀行に残った少しの独立性を否定した話を紹介しました。今回の金利を下げて、マーケットに資金を供給する事を決めたのも、中央銀行ではなく、共産党だと考えられます。

その目的は習近平が再選される迄、中国の不動産市場を含む各産業が崩壊する事を避ける為です。つまり今年、習近平は必死に中国の経済は大丈夫というイメージを作ろうとする筈です。

勿論、彼の政敵は経済危機を引き起こす事によって、習近平の邪魔をします。これについて過去の動画でも話をしましたので、此処では割愛します。

では、今の政策は習近平のどの大きな目標にとってプラスかというと、習近平の民間企業ではなく、国営企業に重さを置いて共産党の経済に対するコントロールを強化する目的と一致します。

約1週間前から、中国の国営企業が民間の不動産企業に対する吸収合併が始まったニュースが報道されました。

今、負債の泥沼から抜け出したい民間の不動産企業がかなりあります。これは国営企業が民間企業を買収する良い機会です。このタイミングで国営企業が安い金利で民間企業を吸収合併する資金を借りる事が出来ます。

銀行は経営リスクがある民間企業にお金を貸すより、実力がある国営企業に貸した方が安心です。ある意味、貸さないといけないので、国営企業が民間企業を合併する良い機会になります。

習近平はこの機会を利用して、自分の政敵がコントロールしている企業に手を出す可能性は十分あります。

中国の8%を超える経済成長率は2021年が最後になります。これから今迄の高成長と正式にさよならして、暫くこの様な数字は出ないでしょう。

よくGDPには意味がない。中国がGDPばっかり追っている事の意味がないという論点もあります。GDPの成長は中国の経済成長を表す数字です。

中国の研究機関が発表した数字によると、中国のGDP成長率の1%当たり、約220万の仕事が増えます。つまり5%の成長率では約1千万を超える新しい仕事のポジションが生まれます。

以前皆さんに紹介した通り、今年、中国の大学、大学院の卒業生は1千万人を超えます。もし、GDPが5%を割ると、それらの学生には仕事が無い事になります。勿論、これは単純計算です。

新卒以外、仕事を探している人もかなり居ますので、単純に仕事のポジションの創出という視点だけで考えても、経済の継続成長が必要です。

それ以外にも中国のインフラ建設で経済を引っ張っている体質では、もし経済成長が止まると、川上の産業や資源系の産業が先に倒れ始めます。これも何故、中国は一帯一路を始めて、海外でインフラ建設を始めた理由の1つです。

今回、オカシイのは、今中国であんまり良いニュースが無いにも関わらず、このGDPが8%を超えた事を大きく宣伝していません。もし昔なら、共産党のリードでGDPの成長が8%を超えたと大きく宣伝した筈です。

何故今回中国はあんまり宣伝しなかったのかについて、幾つかの見解があります。

先ず、中国経済全体の成長率の8%と一般国民のこの2年間での体験とあんまりにも差が大きいので、もしコレをアピールすると、国民の反感を買う事になるので、あんまり大ごとにしなかったという視点があります。

又、習近平は改革開放を止める方向に向かって進んでいるので、GDPの成長を目標にしなくなっているという見解もあります。

それ以外、中国は去年からGDP成長の目標を設定しないと決めましたので、これからGDPの成長をそこまで重視しない様にして、柔軟に対応出来る様にしているという見解もあります。

どちらにしろ、今回のGDPの成長率は本当の数字だと考えた場合、その成長率だけから中国の本当の経済状況が分かりません。


又、去年の四半期毎の傾向と、今の中国の経済状況から考えると、これから中国の経済成長はかなり減速します。経済成長という蓋で隠してきた様々な社会問題がこれから徐々に爆発し始めます。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。

オマケの参考資料

中国「GDP世界二位」の大嘘を暴く!~デタラメな数字を産む統計偽装のカラクリが分かった
2016.04.26 高橋洋一先生
中国経済、調べてみたらやっぱりウソだらけ!~本当のGDPは、公式発表の3分の1!?
2016.04.27 高橋洋一先生
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中国GDPの大嘘




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