アメリカのマルクス主義解説 前編

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アメリカでの共産主義はどんな顔をしているのか?
それを識別することができますか?
共産主義が復活するステップ「アメリカのマルクス主義」
アメリカの保守学者、マーク・レヴィン著書紹介

Harano Times 2022/02/11



皆さん、こんにちは。アメリカの有名な保守派学者マーク・レヴィンが書いた「アメリカの共産主義」という本は、去年発売され、十週間で百万冊販売されました。

この様な共産主義に関する本が此処まで売れる事を見ると、悲しい部分と嬉しい部分があります。

何故、悲しく思うのかと言うと、この販売数量からアメリカで共産主義はここまで沢山の人が心配しないといけない程浸透している事が分かります。

では何故、嬉しく思うのかと言うと、これ程の人が自分が今置かれている状況を心配して、一体何が起きているのかを知りたいと考えている事が分かります。そもそも考えないと行動もおきません。

ですので、考え始めた人の一部が行動に移って、世界を変える様になります。この様な視点で考えると、この本がもっと売れて欲しいと思います。

今回の動画で、この本の重要な部分を皆さんと共有出来ればと思います。いつも言っている事ですが、共産主義に国境はありません。今、アメリカで起きている事は、いつか日本でも起きます。

ですので、アメリカで起きている事を知って、どうすれば日本で同じ事が起きないのかを考え乍ら聞いた方がもっと価値がある動画になると思います。この動画を見る前に是非皆さんに見て欲しい動画は、過去このチャンネルでアップしたKGBの元スパイのインタビュー動画です。

多分、このチャンネルの登録者の多くはそのチャンネルを見ていると思います。その動画を見てから、この動画を見ると理解が深まると思います。

共産主義は、どう生まれ変わって、復活するのか、よく纏まっている共産主義が復活する迄の7つのステップがありますので、それを先ず、皆さんに紹介します。

ステップ1.自分の支持者を探す。言い換えると工作のターゲットを探す事です。

例えば、ソ連共産党は当時、兵士と工場の労働者をターゲットにしました。

中国共産党は中国の農民をターゲットにしました。

アメリカの場合、工場の労働者や農民は既に中流階層になっている人が多く、簡単に動かせないので、アメリカの共産主義者は、黒人、ラテン系、アジア系等の人種をターゲットにしました。

勿論、年代によってターゲットは、又違います。例えば、60年代、70年代の時、マーティンルーサーキングが代表となる公民権運動で、黒人の公民権の意識が強かったので、共産主義者は戦争に反対する若者をターゲットにしました。

今の時代では、黒人は彼らの1番大きいターゲットになっています。アメリカの共産主義者は彼らを自分の支持者にする為に工作のターゲットにしました。
何処の国の共産主義者もその国で柔軟に自分の工作ターゲットを探します。

ステップ2.自分が選んだ支持者、工作対象の敵を定義する事です。

例えば、中国の農民の敵は地主である。
アメリカの建国者は奴隷主だったので、アメリカは奴隷主が作った国、白人の全員は白人至上主義者。白人は黒人の敵という考え方は共産主義者が自分の工作対象の為に作った敵です。

ステップ3.群衆を煽る事です。

この部分で、共産主義者は人間の心に存在する善良を先ず利用します。例えば、「我々は不平等をなくして、もっと良い世界を作るべき」と宣伝すると、多くの人は、これは良い事と思って、共産主義は良い事と考え始めます。

でも、それと同時に共産主義者は人間の心の悪を利用します。人間は楽な事をやりたがるし、働く事を嫌います。勿論、違う人も居ますが、基本はそうです。

アメリカが今迄の繁栄を手に入れる事が出来た大きな理由はアメリカ人の労働です。アメリカ人は仕事をしないというイメージがありますが、90年代、アメリカ人の労働時間は工業化民主国家の中で最も長かったと言われています。

ある統計データによると、1997年、アメリカ人の年間平均労働時間は1966時間で、同じ時期の日本の平均労働時間は1889時間でした。このデータに若干違いがあるにしても、当時、アメリカと日本の労働者の平均労働時間に大きな差がなかったと考えられます。

アメリカの経済成長も、日本の経済成長も、アメリカ人・日本人の労働によるモノです。でも、勿論、出来れば誰もが楽をして良い生活を送りたいと考えます。

共産主義者はその人間の悪を利用します。アメリカの共産主義者は黒人に「貴方のお爺さん、お爺さんのお爺さんは苛められたから、貴方は政府からお金を貰うべき。仕事をしなくても良い」と言います。

中国共産党は農民に「地主の資産を自分のモノにすべきだ」と言います。工場の労働者に「資本家のモノを自分のモノにすべきだ」と言います。これは正義の名義でやっている、人の心の中にある『悪』を利用する事です。

ステップ4.革命を起こす事

実は、今迄「共産主義革命」で成功した国の中で、本当に革命に参加した人は、その国の人口で見ると、そう多くはありません。

何故、少数の人が革命で成功出来るかと言うと、多くの人は自分が共産主義の敵になっている事を自覚していないし、その様な動きが起きる事に気付かないからです。彼らの多くは生計を立てる為に、多くの時間を仕事や家庭に使っているからです。

逆に多くの共産主義者は支持者から集めたお金を使って、フルタイムで活動します。そこに費やした時間と労働力が違います。

彼らは社会の重要な部分をターゲットにして、集中的に浸透活動、破壊活動を行っていきます。メディア・教育・芸術等、重要な領域を目標に攻撃を継続すれば、知らない内に社会を破壊する事が出来ます。この様な方法を使って、共産主義者は政権を獲得していきます。

ステップ5.独裁政権による統治です。

共産主党は独裁統治をします。何故、独裁統治をするのかと言うと、共産主義社会は回らないので、国民から反対を受けるからです。独裁をしなければ、政権を失くしてしまいます。その詳細について、又、後で話をします。

ステップ6.社会を破壊し、社会の富を失くし、国民が覚醒して、共産主義社会が崩壊する事です。

しかし、共産主義社会が崩壊しても、共産主義思想が消える事はありません。世界最大の共産主義社会、ソ連が崩壊した後、共産主義はそれで終わったと誤解されていました。

でも、それは共産主義の崩壊ではなく、共産主義が失敗した1つの戦争に過ぎませんでした。そして…

ステップ7.共産主義が姿を変えて、機会を探して復活します。

今回、皆さんに紹介するアメリカの共産主義は、この共産主義の復活のステップの話です。この本に入る前に、先ず作者マーク・レヴィンについて簡単に紹介します。

彼は1958年の生まれで、19歳で大学を卒業し、23歳で法学の博士号を取りました。24歳でレーガン大統領のチームに入って、その後、レーガン政権の司法部長の幕僚長になります。

ブッシュ政権になった後、彼はブッシュ政権を支持しない為、政府の仕事を辞めて、民間の法律団体に入って仕事をします。その後、彼は保守派のラジオ・ホストになって、保守派番組に出演したり、フォックスニュースで保守派番組を作ったりしました。今もフォックスニュースの番組によく出演しています。

彼は今、アメリカの保守派メディアでも、リーダー的な存在になっています。彼は法学の博士ですので、彼の特徴は、考えが周密である事です。シッカリした学術派というイメージです。では、この本の内容に入っていきます。

何故、この本の名前を「アメリカのマルクス主義」にしたのか?マーク・レヴィンはアメリカで「自分はマルクス主義者」という人はほぼ居ない。共産党のメンバーになっている人はもっと少ない。

アメリカの多くの人は、共産主義はとっくに歴史によって淘汰された思想だと考えている。アメリカの共産主義者はこの状況をよく知っているので、共産主義運動に違う名前を付けて復活している。

だから敢えてハッキリと、それらの動きはアメリカの共産主義者であると言っています。これは先程、皆さんに紹介しましたステップ7.共産主義が姿を変えて、機会を探して復活するという部分と繋がります。

では、アメリカの共産主義はどの様な名前を使って復活したのか?

進歩主義者、民主的社会主義者

例えば、バーニーサンダースの様な「社会は平等であるべき。お金持ちが社会をコントロールしないとイケナイ」と主張して、若者から支持されています。彼は典型的な民主的社会主義者です。

それ以外、社会活動家、コミュニティ活動家等も共産主義者の新しい姿です。
例えば、オバマが大統領になる前、コミュニティ活動家と言われていました。

マーク・レヴィンはこの様な単語を聞いた時、アンテナを張って気を付けないとイケナイ。これは共産主義活動、共産主義者の新しい姿であると言っています。

では、アメリカにある共産主義の組織は、どんな組織なのか?
例えばBLM、アンティファです。これについて、過去、BLMのリーダーの正体という字幕動画を作った事がありますので、未だ、覚えている方もいらっしゃると思います。

それ以外、AOCが代表となっている4名のアメリカの民主党女性下院議員で出来ている所謂「スクワット」も新しい形の共産党組織です。

では、アメリカの共産組織は何を名目にアメリカで活動しているのか?

例えば「経済的正義」「環境正義」「人種平等」「男女同権」等です。ですので、この様な単語を聞いた時、アンテナを張って気を付けないとイケマセン。

アメリカの共産主義の新しい理論は何か?
CRT理論、つまり「批判的人種理論」です。
このCRT理論について、過去の動画でも、皆さんに紹介した事があります。

マルクス主義共産理論等は既に嫌われていますので、それを宣伝しても反感を買うだけです。批判的人種理論はそれの代わりになっています。

では、この批判的人種理論は何処から来たのか?それは批判的理論から来たモノです。批判的理論の源(もと)はマルクス主義です。どの様な理論にも使う場があります。

批判的理論はアメリカの今の政治・文化を作って維持してきた伝統的価値観を批判する事に使われます。この伝統的価値観は極左にとって邪悪なモノになりますので、それを批判して、新しい世界を作ろうと考えています。

この批判的理論にアメリカの人種問題を結合させて、批判的人種理論を作り上げています。共産主義者はこの理論を使って、人種差別を失くすと言っていますが、黒人に対する人種差別を失くすと言い乍ら、オープンに白人に対して差別をしています。

これは共産主義者が人種を自分のカードにしている事になります。公民権運動が始まった時、それはとてもポジティブなモノでした。マーキングルーサーキングは「肌の色ではなく、品格と能力を見るべき」と言っていました。

人種差別がない社会で、人の目は肌の色に敏感ではない筈です。でも、今、共産主義者は、肌の色を自分の強力なカードにして、あらゆる所で利用しています。これは共産主義運動のステップ2.自分のターゲットに敵を定義する部分に繋がります。

では、アメリカの共産主義者は何処に居るのか?
彼らはアメリカの大学、メディア、SNSの会社、大企業の取締役会、ハリウッド等に居ます。つまり、アメリカの所謂「エリート層」の中に居ます。

彼は「今のアメリカのエリートは、伝統的なエリートと違う」と言っています。今のエリートはアメリカの60年代に教育を受けていました。

彼らはアメリカの歴史について正しい認識がない。実際の経験もない。だから、この国に対する感謝の気持ちもない。自分と違う考え方を持っている全ての人は、邪魔者と考えていると言っています。

では、アメリカのマルクス主義者は何をベースに活動しているのか、つまり政治勢力は何処に集まっているのかと言うと、ホワイトハウス、国会、民主党です。

アメリカのマルクス主義者は何を批判しているのか?アメリカの伝統主流文化、アメリカの経済を繁栄させた資本主義制度を批判して、アメリカは公平ではない。アメリカに正義がない。アメリカは女性差別、人種差別の国。アメリカは植民地主義、帝国主義、環境破壊主義であるというレッテルを貼ってきます。

でも、アメリカが建国してから、世界にした貢献、作った繁栄、アメリカが世界の沢山の人の憧れになっている事…人によって、なっていったと言った方が正しいかもしれません。

これらの事は、アメリカの共産主義者が認めたくない、アメリカの国民や若い世代に伝えたくない事です。だから彼らと彼らの影響を受けた人は、アメリカという国に感謝の気持ち、尊敬の念がありません。

アメリカの共産主義者はどんな人を批判するのか?
例えば、奴隷解放の父と言われているリンカーン大統領
初代アメリカ大統領、ワシントン大統領
奴隷制度廃止論者、フレデリック・ダグラス
南北戦争で出来た初の全黒人部隊、第54マサチューセッツ歩兵連隊等です。

この黒人の歩兵連隊の事を知らない人もいらっしゃると思います。これはアメリカの初の全黒人兵士で出来た部隊で、この部隊が出来た後、アメリカの北部の部隊に参加した黒人兵士の数は一気に増えました。

勿論、その時、リーダーになる人は、戦闘技術や理念、経験等を持っている白人でしたので、黒人がリーダーになるのは、もう少し後の話です。ですので、彼らがレッテルを貼って批判している人は、逆にアメリカの奴隷制度を失くす事に貢献したひとです。

例えば、ワシントン大統領を批判する理由は、彼が奴隷を持っていた事です。それは事実かと言うと、事実です。でも、今の判断基準で、過去の人物の問題を探したら問題が無い人は居ません。

それは今の判断基準で、アメリカに貢献した人を批判して、彼らを犯罪者にする手段です。この様な手段を使って、「アメリカには原罪がある」「白人には原罪がある」という思想を「人に教え込みます。

面白いのは、彼らは当時、奴隷制度を支持していた民主党を批判しません。ステージをアメリカから中国に変えて考えると、例えば、中国の文化大革命の時、その時代のマルクス主義思想で、中国の伝統文化や歴史人物と問題を探すと、勿論色んな問題が出てきます。

当時、毛沢東が発動した文化大革命は、今のアメリカの歴史を否定して、歴史事実を改竄するやり方と共通します。この本の中でマーク・レヴィンは、何故共産主義はダメなのかについて話をします。

今回の話は長くなりましたので、共産主義は何故ダメなのか、アメリカの共産主義の裏に居る本当の共産主義者、共産主義者の頭脳はどんな人なのか等の話を後半にして、今日の午後、公開します。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。


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