目が離せない中共の仁義なき戦い
激化し始める闘争、習近平はこの手段で目的達成できるのか?
Harano Times 2022/05/18
皆さん、こんにちは。この前の動画で中共の権力闘争が本格的に激化し始めた話をしました。習近平が再選に向けて邪魔になる人を全数排除する事に力を入れています。それと同時に反習近平勢力は習近平を降ろす為に活動しています。
5月15日習近平が抑えている中共の中央弁公庁は或る今迄なかった重要な意見書を発表しました。その意見書の名前は「新時代に於ける離職対象幹部の党の建設工作を強化可する事に関する意見書」です。
ややこしい名前になっていますが、シンプルに分かり易く言うと「既に退職した中共の幹部に対する管理を強化する」というタイトルです。(元指導者に「党の規律厳守」求める文書/引退した長老を牽制する文書)この中共の中央弁公庁が出した意見書のタイトルを見るだけで、変な臭いがします。
この意見書が出た後、共産党の人治を管轄している中央の組織部の担当は、この意見書に関する質疑応答という形で記事を発表して、その主旨をもっと明確に伝えようとしました。
基本的に中共が言う「党の建設の仕事」は新しい党員、若しくは若い党員に対する教育等の場合に、共産党の建設工作という言い方を使います。もっと分かり易く言うと、先輩と後輩の関係の様に、先輩が後輩に対する教育です。
しかし今回の話は完全に若い党員、つまり未だ退職していない党員が既に退職した党員に対する教育を強化する話になっています。これは共産党の今迄のやり方には合いません。前代未聞と言っても問題ないでしょう。
では、この意見書に具体的にどんな内容が書かれているのかと言うと、先ず、共産党の退職幹部特にリーダー職に就いた事がある党員は党の話を聞いて、党に付いていくべき。思想と行動上で習近平という核心と一致すべき。退職した幹部は良い模範になるべきと明確なリクエストを出しました。
それ以外、やってはいけない4点も明確にしました。
1.中央の政策に対して出鱈目な議論をしてはいけない。
2.マイナスな政治的言論を拡散してはいけない。
3.違法な社会組織活動に参加してはいけない。
4.自分の元の権力や影響力を利用して、自分と他人に不当な利益を与えてはいけない―です。
共産党のこの様な話は基本、逆を見れば分かり易くなります。つまり、今、共産党の話を聞かない、共産党に付いていかない退職の幹部が居るとの事です。
共産党の退職幹部、特に上層部の幹部は相当良い待遇を受けており、共産党の既得権益層です。
よっぽど彼ら本人が退職した後「共産党は邪悪だから共産党を倒すべき」と考えない限り、彼らが共産党組織に反対する事は基本ありません。
では何故、今、共産党の話を聞かない退職幹部が増えているでしょうか?此処で先ず明確にしないといけないのは、此処でどの共産党の事を言っているのかです。
意見書のタイトルに明確に「新時代」という言い方を使っています。この「新時代」という言い方は習近平専用の言い方になっています。習近平が何かを出す時、他の時代と区別する為に、自分の特殊性をアピールする為に名づける時は「新時代」という単語を出します。
ですので、今の退職党員が付いて行きたくないと思っているのは習近平の共産党です。逆を言えば、退職した共産党員に習近平の共産党に付いて来なさいとプレッシャーを掛けています。
又、此処まで正式な意見書を出す事から、その人数もかなり多いのが分かります。しかも普通の地方政府レベルの退職幹部が退職した後に、習近平が心配する程何か出来る力が無いので、今回のこの意見書は明らかに部又は国レベルの共産党上層部をターゲットにしています。
そうなると江沢民、胡錦涛、温家宝、曽慶紅、朱鎔基等、全部この意見書がターゲットにしている退職幹部になります。
習近平が中共のトップになった後、自分の後継者になる可能性がある人、自分の将来のライバルになる人、又は彼らの力になれる人を次から次と脅してきました。
これから習近平が反習近平勢力とやり合う時、退職した幹部もこの権力闘争に入って来るのは間違いありません。勿論、この意見書が出た事から、彼らが既に関与している事が分かります。
この意見書に入っているやってはいけない事の中に違法な社会組織活動に参加してはいけないという内容が入っています。退職した幹部が何か違法で組織的な活動に参加するとは思いません。
確かに裏で普通の宗教から怪しい新興迄信じる幹部は居ますが、それは組織的な活動にはならないので、何か大きな問題を起こさない限り、そこまで注目されません。
つまり既に退職した幹部の中で、繋がりを持ち、活動している人が居る事が分かります。彼らには人脈と影響力がありますので、繋がってしまって、何をするのかは分かりません。
数ヶ月後、中共の北戴河会議が始まります。その会議は退職した先輩が現在の政局について意見をする場になりますので、習近平が今から退職した先輩たちの口を封じる準備をしているのが分かります。
又、この様な意見書を先に出して、これから退職した上層部に手を出す時に使う根拠にする準備をしているかもしれません。
実は習近平がこの様な前代未聞な所謂「意見書」を出して、先輩たちの口を封じ様としているだけではなく、これは最近色々流れている習近平に関する噂に対する対応でもあります。
最近、実は習近平が既に降ろされて、ただ政権を安定させる為に未だその座に就いているという噂や、習近平が脳腫瘍になって再選が難しい等の噂が流れています。皆さんも何処かで聞いた事があると思います。
これらの話は今このタイミングで反習近平勢力が流しているのが想像出来ると思います。この様な話は基本事実確認が難しいので、事実である事も、嘘である事も簡単に証明出来ません。
常識で考えて、このタイミングでこの話が出たのは習近平が再選出来ない様にする為に敵側が流している話である可能性が高いと判断するしかありません。
確かに最近、李克強の話はかなり報道される様になり、彼が次の共産党のトップになるのではないかという噂がかなり流れています。
当時、習近平がトップになる迄、李克強も共産党のトップになる候補の1人でしたが、党内の派閥間の争いの結果、習近平がトップになって李克強が総理になりました。
つまり李克強には共産党総書記になる実力がありますので、この様な噂が流れても完全に無理とは判断出来ません。
この様な噂が流れると政局がかなり不安定になりますので、習近平がこの様な意見書を出して、自分が未だ共産党をコントロールしている事をアピールした事にもなります。
今の雰囲気から、確かに権力闘争が激化しているのが分かります。しかし今、私には、習近平が優位性を失くした様には見えません。
確かに年末迄はどんな事が起きるのか誰も予測出来ませんが、少なくとも今は、習近平が大きく負けて再選出来なくなるサインはありません。
その根拠は今の所、反習近平派が重要な機関紙を通して、明確に習近平を指摘する様な記事を出していない事です。共産党の主要な機関紙で記事を出す事と噂を流す事に大きな差があります。今の所、そういう記事が未だ出ていません。
それ以外の重要な理由は解放軍の機関紙が習近平を支持する立場を表明している事です。共産党の権力闘争で解放軍を握った人には勝てませんので、今、色んな噂が流れていても、習近平を倒す事はそう簡単な事ではありません。
それ以外中央の上層部の警備と監視機能を持つ警備局も未だ習近平の側近がコントロールしています。
軍隊も警備局もなく、普通の噂や会議での意志表明だけで習近平を降ろす事は出来ません。今、習近平が直面している最も大きい圧力は、コロナゼロ政策からくる経済の衰退です。
もし、経済がこれ以上悪くなり、社会問題が頻発すると、習近平の権威に影響が出て、党内からの支持が更に悪くなる可能性が高いです。
もし、この問題に上手く対応出来れば、再選される可能性は今の所非常に高いです。
李克強は経済問題を中心に最近色々発言をしています。確かに露出度は上がっていますが、それは権力を握ったから発言しているのか、それとも、この様な状況でこれから共産党は経済の発展に力を入れるというガス抜きなのかは分かりません。
李克強が色々動いた結果、もし、経済が良くなれば、それは習近平の英明な指導に依るモノで、経済がもっとダメになると、それは李克強の責任だが、彼が退職する事はほぼ確定ですので、これからどうなっても「分からない。自分は最後まで闘った」という言い訳が出来ます。
習近平もその責任を李克強に押し付ける事が出来ます。これは現時点での話になりますが、中共の権力闘争はこれからも注目されるポイントになりますので、まだ何か進捗があれば、皆さんに紹介します。
これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。
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