テッペンの投資家たちは食うか食われるかの世界。隣国の経済に見切りをつけてドンドン撤退?
この写真の販売風景は人民網日本語版2022/6/17の記事より借用しております。
中国のある会社から世界中の外資投資銀行が同時に離れる、なぜ?
Harano Times 2022/06/21
皆さん、こんにちは。昨日は上海の現状に関する字幕動画をアップしました。時間の関係で動画だけをアップして、解説出来ませんでしたので、此処で先ず簡単にお話しします。
昨日の字幕動画に出てきたのは上海で仕事をしている、若しくは会社を経営している男性です。彼は自分が勤務している会社が入っているオフィス・ビルの中を撮影して、元々沢山の会社が入っていたオフィス・ビルがガラガラになっている現状を公開しました。
その動画がネットにアップされてから、かなり話題になっています。過去の動画でも、上海の様な都市が2ヶ月以上も封鎖されてしまうと立ち上がる迄時間が掛かるという話をしました。
その時、走っている人が急に気を失ってから、又、走り始める迄、時間が掛かるという事を例にしました。昨日皆さんに紹介した動画は正にこの予測を証明しています。
中共は上海の封鎖を解除して、仕事・生産を再開したと宣言していますが、止める事は簡単で、実際に再開させる事は、そう簡単な事ではありません。その動画を見て感じた事は人によって違うと思います。
例えば、或る会社の中に沢山の布団、他の日用品が入っていました。このシーンから想像出来るのは、上海で都市封鎖が起きた後、そのオフィス・ビルに閉じ込められ、その中で生活をしていた人が沢山居るのが想像出来ます。
又、彼は、そのオフィス・ビルの中に元々十数の会社が入っていたが、今は自分の会社を入れても、多くて3社しか生き残っていないという話をしました。このビル全体で考えると、70%以上の会社が生き残る事が出来なかった事になります。
勿論、比率は違うと思いますが、もしこの数字をもっと大きい上海という都市の中に置くと、かなりの会社は今回の都市封鎖で大きな打撃を受けたと推定する事が出来ると思います。
今、ネットで公開されている情報に依ると、このビルは上海の瓶工区にあります。このエリアは上海のかなり中心的なエリアになりますので、この動画を見た後、かなり驚いた人も多かった様です。
勿論、この上海の1つのビルの中の状況から全ての上海の状況が悪いという判断をする事は出来ませんが、しかしこの様な具体的な例から、上海で今、苦戦している会社が多いという事を想像する事が出来ると思います。
上海の経済、若しくは中国の経済がコロナ・ゼロ政策によってかなり大きなダメージを受けました。一旦ダメージを受けた経済が再度元通りに戻る事はそう簡単な事ではありません。
特に、世界経済が今、かなり低迷している為、中国の経済がこの大きな環境の中で逆に短時間で元通りに戻る事はもっと困難だと思います。では、今日のメイン・トピックに入ります。
今迄何回か外国の資本が中国から逃げている話について皆さんに紹介しました。この様な話をすると、やはりイメージが湧きにくい方が多いと思いますが、この1週間で外国の資本、しかもウォール街の重要な投資銀行が中国から逃げるとても典型的な事例が起きましたので、それを皆さんに紹介します。
中国で生活をした事がある方、又は中国の情報を色々見ている方なら、新東方という教育関連の会社について何となく知っている方が多いと思います。
この会社は1993年北京で英語を教える塾からスタートして、2016年にアメリカのニューヨーク証券取引所に上場し、2020年香港で上場できた中国で最も有名な教育関連会社でdす。
この会社は英語を教える事から始めて、徐々に他の言語、又は他の学科の塾を始めたり、留学関連事業等を始めて、大きな成功を収めました。
去年から中国の関連情報を色々確認している方なら、習近平が何回か手を出して、中国の幾つかの産業を殺した事をご存知だと思います。習近平が殺した産業の中に教育産業が入っています。
それによってこの会社の各学外塾の部分がほぼ全滅しました。中国の親が教育熱心である事が世界中でもよく知られています。中国で沢山の学外塾がありますが、習近平の教育産業殺しによって、多くの企業が倒産に追い込まれました。
塾の先生の給料すら払えず、逃げた会社が沢山出ていますが、この会社はシッカリ先生の給料を払った後、塾の授業をやめて、高い価格で購入した教育設備等を安い価格で必要な人に譲りました。
この会社の経営者は中国では有名な人徳がある経営者ですので、彼の対応は高く評価されています。
習近平が教育産業を殺す前から、パンデミックの影響で、海外に行って留学出来るが学生の数が激減しました。これもその会社のメインの事業に大きな打撃を与えました。
この様な状況が継続すると、会社の業績は勿論急激に悪化し、会社の株価も暴落します。2021年2月、調度パンデミックが始まったタイミングで、この会社のアメリカでの株価は195ドルでした。そしてそこからたった6ヶ月間で20ドル迄下がり、株価が90%暴落しました。今年の3月に株価は10ドル迄下がりました。つまりこの会社の株価は2021年の時と比べると95%暴落しました。
香港の株式市場で、この会社の株価は2021年の約27香港ドルから3香港ドル迄下がりました。この会社に投資した投資家の視点から考えると、自分の投資がほぼ消えてしまった事になります。
この会社の経営者は、会社を何となく維持させる為に、本人が前に出てきて、ライブ配信という形で、農産品の販売を始めました。先程話をした様に、この会社の経営者は中国では有名な経営者ですので、彼が農産品の販売を始めた後、彼をサポートする為に、彼が販売した物を購入する人が沢山出てきました。
一般の農産品よりも価格が高いにも関わらず、かなり売上を伸ばす事が出来ました。そして最近、この会社の従業員も前に出てきて、中国語と英語の同時配信で農産品を販売し始めて、大きな成功を収めました。
この販売の形が斬新である事や、英語の勉強も出来る為、沢山の人が彼らのチャンネルから農産品を購入し、5日間の合計売上が2億人民元を突破しました。この様な業績をたたき出した新東方の株価は大きく跳ね上がり、香港での株価は最大十倍に上がりました。香港での株価は2021年の株価に戻り、大きなニュースになりました。
しかし株価が大きく跳ね上がった後、直ぐ、暴落しました。先週金曜日の株価は12%下がり、今週月曜日になってから、更に32%下がりました。合計で半減してしまいました。この短い1ヶ月間でジェットコースターに乗った様な感覚で株価が大きく変動しました。
では、業績が良くなっているこの会社の株が上がった後、何故急激に下がってしまったでしょうか?その背後にあるのは、ウォール街の大手投資銀行です。複数のウォール街の投資銀行は、この会社の株価が大きく跳ね上がったチャンスを利用して、この会社の株を売り出しました。
例えばウォール街の名門投資銀行モルガンスタンレーはほぼ全ての株を売り出して、16億香港ドル分の株を現金化しました。又、もう1つの大手投資銀行JPモルガンチェースは3億香港ドル分の株を現金化しました。
そしてイギリスのHSBCは1.億香港ドル分の株を現金化しました。それ以外にもアメリカのシティバンク、フランスのメガバンクであるBNPパリバ銀行、ドイツ銀行等の大手株主も株価が上がったタイミングを利用して大量の株を売り出しました。
これは中国の会社に投資している外資銀行が集団的に逃げた代表的な例として、今大きな話題になっています。
では、誰がその売られた株を購入しているかと言うと、中国本土、つまり香港以外の投資家たちです。中国本土に居る投資家たちは、合計13.6億香港ドル分の株を購入しました。
これらの投資家はどちらかと言うと、個人投資家たちです。そして中国の多くの投資会社もこの会社の株を購入しました。
何故外資の投資銀行は、この会社の業績が改善されている今を逃げるタイミングにしたかと言うと、先ず、この会社が今行っている事は、農産品の販売です。先程お話をした様に、この会社の経営者は中国では有名な経営者です。
商品が高くても購入している人の多くはその農産品を食べたいからではなく、彼をサポートする、又は、彼の会社をサポートするという形で、その会社が販売している農産品を購入しています。
つまり本当の農産品その物の価値で考えると、この会社が販売している商品は割高で、これから継続出来ない可能性が高いです。
又、中国だけではなく、世界の経済状況が悪化している今、多くの人はどちらかと言うと、コスパが高い商品を購入する様になっています。つまり、この様な高い人気を力に割高の商品を販売するビジネスモデルが成功し続ける可能性は低いです。
投資家たちがこのタイミングで逃げた事から、彼らは中国のこれからの経済状況が良くなると考えていない事が分かります。
この会社の株を持っていた外資投資銀行は、習近平が急に政策を変更した時、逃げ切る事は出来なかったが、今回の機会に逃げる事が出来ました。
中国でこのビジネスモデルが長続きしない事と、この会社が再度教育産業で成長する事の見通しが無い為、今回、集団的に逃げたと思われています。
アメリカの株式市場、又は世界の多くの株式市場が下落している中で、先週、中国の株式市場は逆に少し成長を見せました。
この大きな環境があまり良くない中で、中国の株式市場が逆に成長を見せた事には沢山の理由がありますが、その中の1つの理由は、中国人が投資出来る物はかなり限定されているからだと思います。
以前、中国の不動産に関する動画の中で、不動産価格が下落し始めると、中国人は不動産を売り出して、他の物に投資しようとする。しかし中国ではチャンとした投資先が少ない為、お金は中国の株式市場に入る可能性が高いという話をした事があります。
今、中国の不動産販売がかなり落ち込んでおり、中国人の不動産に対する信仰が崩壊し始めています。そして手元に資金があるが、それを海外に持ち出す事が出来ない人の中には、仕方なく、その資金を中国の株式市場に入れる人が増えます。
最近中国の株式市場が良い感じになっている理由の1つは、これではないかと思います。中国の株式市場はカジノである。場合によってはカジノ以下であると言われる事もあります。
この市場が上がっているタイミングを利用して、もっと多くの外資銀行が撤退する可能性があります。逆に中国人のお金はそのカジノに入って、いつか溶け込んでしまう可能性が高い筈です。
もし間違いがなければ、これから外資投資銀行が、今のタイミングを利用して、中国から撤退するニュースが増えるかもしれません。投資の専門家たちは今回の値上がりを増資のチャンスではなく、逃げる機会にしました。
この事から彼らが中国のこれからの経済状況を楽観視していないのが分かります。今年の世界の経済に大きなインパクトを与えるのは中国の経済状況ですので、引き続き観察して、皆さんに紹介していきます。
これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。
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