クリミア大橋大惨事でウクライナと部下に当たり散らす露皇帝
クリミア橋の爆破をめぐる復讐、
そもそも、クリミアはなぜ今の状況になったのか?
プーチンのレッドラインは何か?
今回のことで何が暴露されたのか?
そもそも、クリミアはなぜ今の状況になったのか?
プーチンのレッドラインは何か?
今回のことで何が暴露されたのか?
Harano Times 2022/10/12
皆さん、こんにちは。クリミア半島と言うと、名前はよく聞くが今迄の歴史の変遷をよく知らない。特に今、ロシアとウクライナは何故そこを取る為に争ったのかが分からないと考えている方が多いと思います。
クリミア半島は黒海とアゾフ海に囲まれている3万平方キロメートル弱の半島で、約240万人がそこで生活をしています。歴史上、このエリアにはハッキリした統治者が居なかったとも言えます。
ギリシャ人、ゴート族、キョウド人、ハザール人、モンゴル人がそこを占領した事があります。帝国で言うと、東ローマ帝国、オスマン帝国、モンゴル帝国等がそこを支配した事があります。近い話をしますと1783年、ロシア帝国がクリミアを合併しました。
此処まで見ると、クリミアは確かにウクライナとあんまり関係がありませんでした。1911年に始まったロシアの内戦で、クリミアは反革命派に占領されましたが、赤軍が反革命派である白軍を倒した後、クリミアがソ連の一部になりました。
その間、第2次世界大戦期間中、数年間ナチスドイツの管轄下にあった時期もありました。そして1954年、ロシアからウクライナに割譲されました。1954年は1654年ロシアとウクライナがキエフロシア時代再統合を実現した3百周年になりました。
ロシアとウクライナの統合と言うと、今は想像し難い事ですが、そういう歴史もありました。此処ではその詳細を割愛します。
3百年前にロシアとウクライナが統合し、ソ連時代でも統合したというお目出度い時でしたので、フルシュチョフがある判断をしました。彼はロシア人ですが、人生の多くの時間、特に官僚時代のかなりの部分をウクライナで過ごしましたので、ウクライナとの繋がりが強かったです。
その3百周年記念に当たる1954年の5月、ソ連の総書記だった彼は、クリミア半島をウクライナに割譲して、ロシアとウクライナの関係性の象徴にしようと決めました。
ソ連とは言え、この様な意思判断をする為に形上の手続きが必要です。当時、この事を決める為に会議が開かれて、ソビエト連邦最高会議幹部会の27人の内13日人が賛成しました。残りの14人はその投票に出席しませんでした。
何故出席しなかったのか?反対票を出せないから、欠席という形にしたという見解もあれば、何か他の理由があって、重視しなかったという意見もあり、出席した人全員一致で、それに同意しました。
でも、それに同意した人は半数を超えていないので無効であるべきだったが、トップの判断でしたし、出た人が全員一致だったという事で、その案が成立しました。
当時、ソ連の憲法では、国土の割譲等の事を決める時は、国民投票が必要だったそうです。でも、国民投票もありませんでした。違法と言えば違法ですが、集権国家でトップが全てで、憲法は権力者が利用するツールです。トップがそう言えば、それで決まってしまいます。
当時、クリミアの共産党書記はそれに反対しましたが、農業を担当する部門に左遷されました。
ソ連が崩壊して、独立国家共同体「CIS」を作った時、ロシアの大統領エリツィンはウクライナを独立させるので、クリミアをロシアに返す様にと持ち掛けました。しかしウクライナの大統領はその問題を置いておいて、ソ連解体後の事に専念しようと主張したので、この問題がその侭、放置になってしまいました。
その間、クリミア内部でもズッと動きがあり、1992年クリミアの議会はクリミア国家独立法案と、クリミア憲法を通して、独立した事を主張しました。勿論、ウクライナはそれに同意しませんでした。
最後は、ロシアも入って色々交渉した結果、クリミアはウクライナの唯一の自治共和国になりました。
此処まできて、クリミアは誰のモノなのか?ウクライナもロシアもそれは自分の土地だと主張しています。各自が各自の根拠を持ち出して、自分の領土であると主張していますので、人によって主張が全然違い、国際問題になりました。
そして2014年のクリミア危機を経て、クリミア共和国はロシア連邦に編入されましたが。未だに多くの国はその編入を認めていません。
過去の動画でもお話をした様に、プーチンは民族主義者です。彼はクリミアはロシアのモノだと判断して、クリミアを盗りました。その部分の詳細について、此処では割愛します。
クリミアを盗った後、プーチンは30億ドルを掛けてクリミア橋を造りました。何故なら、クリミアはロシアと陸で繋がっていないので、クリミアとロシアを繋げる為に船を使うしかなかったからです。
今回、ロシアがウクライナ東部の一連の州を盗ろうとした1つの理由は、陸でクリミアとロシアを繋ぐ為だと考えられます。その橋はロシアとクリミアの物流を繋ぐモノになっただけではなく、ロシアがクリミアを合併したという成功のシンボル、ロシアがクリミアを管轄しているという象徴になりました。
その橋が出来た初日、プーチンは自分でトラックを運転して、最初にその橋を通過した人になり、鉄道の部分が出来た後、プーチンは初の列車に乗りました。
これらの事から、その橋の重要性、そしてプーチンにとってのクリミアの重要性が分かります。ロシアにとって、成功の象徴、支配の象徴になる橋は、ウクライナにとっては敗北と恥辱の象徴です。
そしてその橋は先日、攻撃されました。その事が大きく報道されましたので、勿論皆さんも既にいっぱい話を聞いていると思います。
今の所、誰も「私がやった」と言っていませんが、ウクライナの関係者やウクライナのメディアの報道等からウクライナがやったと判断出来ます。
ウクライナにとって敗北と恥辱の象徴であるその橋で爆発が起きた後、ウクライナ側は勿論大喜びでした。その恥辱の橋が爆発にあったからだけではなく、戦争が始まってから、ロシアはその橋を使って、ズッと戦争の物資を運送していたので、その橋が壊れると、クリミアとロシアの繋がりがキレて、クリミアに居るロシア軍がバックアップを無くしてしまい、ウクライナが更に優位性を手に入れるからです。
この事件が起きた後、プーチンは急いで復讐をするのではなく、橋の修復作業を始め、事件を調査する様にと指示をしました。
ウクライナがやったのは明らかな事ですが、何故すぐにウクライナがやったと言わなかったのか?
勿論そのトラック自体が爆発したのか、それとも他の物が爆発したからトラックが爆破したのか等、色んな話がありますが、それは重要ではありません。
プーチンにとって重要なのは、その事はロシアの管轄範囲内で起きたという事です。しかも戦争が始まってから、ミサイルの防空システム、特別の警備部隊、百を超えるセキュリティカメラ等を起用してロシアはその橋を守ってきましたが、それでも今回の事が起きました。
ミサイル攻撃ではなかったので、ウクライナがロシア管轄内で活動したか、ロシア内部でウクライナのスパイ、支持者が居るのか、どちらかになります。どちらにしてもプーチンにとっては不味い事になります。
だから彼は直ぐに調査する様にと指示を出しました。そして同じ日に、ウクライナでの軍事作戦の総司令官に新しい人を任命しました。その人事は橋と関係があるかどうかは分かりませんが、橋が破壊された同じ日に起きたので、関係性がある可能性もあります。
ロシアはその橋の破壊はウクライナのテロ活動であると判断しました。正直、戦争中の両国が、お互いの軍事施設、軍事用インフラを破壊する事はテロ活動にあたるかどうかは疑問です。
ロシア側は国土を守る為に核兵器を使う可能性がある事でズッと脅してきましたので、今回の橋での爆発はロシアが主張している彼の国で起きた攻撃でしたので、プーチンが核兵器を使う可能性があるという説が又増えました。
しかし結果的にプーチンは核兵器を使わずに80発を超えるミサイルでウクライナ全土の多くの都市を攻撃して、それをもって復讐しました。
ウクライナは半分のミサイルを止める事が出来たと報道していますが、何処まで本当なのか分かりません。でも、一部のミサイルを止める事が出来たのは間違いないでしょう。
今回の復讐はかなり広範囲の砲撃でしたので、それはロシアの力であると見ている人も居ますが、ロシアの支持者の中でも、その復讐はかなり無力であると見ている人も居ます。
何故なら、ウクライナはプーチンの誕生日でプーチンにとって重要なクリミアを繋ぐ橋、戦争で使われている重要なインフラだった橋を破壊したので、プーチンがもっと強力な反撃をしてくると考えた人も多かったからです。
ですので、これからロシアはもっと強力な手段でかかってくると予測している人も多いです。新しくウクライナでの軍事作戦の総司令官になった人はチェチェンでの戦争で指揮をした事がありますので、かなり強硬な手段を使う人だそうです。今回の砲撃以外にも、又、次の攻撃が来るのではないかと予測されています。
プーチンは復讐しましたが、今回の復讐でロシア軍の問題点が又、暴露されました。例えば、今回砲撃を受けた複数の場所は、ウクライナの大統領府から数キロメートル離れている場所だったので、大統領の官邸を攻撃したくて、ミサイルの精度が悪いから命中しなかったと見られています。
勿論、プーチンがゼレンスキーを殺したくないから、ワザと彼の命を奪っていないと考える人も居ます。でも、今回の砲撃で、ドイツの大使館とサムソンのビルもダメージを受けました。
このタイミングで、ドイツと関係を悪化させる必要もないし、未だにロシアから撤退していない大企業の1つであるサムソンのビルを破壊する必要もないので、やはりミサイルの精度に問題が」あるのではないかと見られています。
そして今回の砲撃にイラン製の自殺式無人機も使われましたので、ロシア軍の物資のサプライ、生産等が追いついていない可能性も出てきました。
これからロシアが更なる復讐をするなら、何処までするのか、これからの状況を見る必要があります。今回、クリミアの話が出たので、最後の部分で少しお話をしたいと思います。
今回の戦争が此処まで来て、ロシアは劣勢になっていると考えています。同意しない人も居ると思いますが、将来の事ですので、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
クリミアが話題になってから、クリミアこそがプーチンのレッドラインではないかと考えています。東部の州はロシアに合併されたとは言え、これからウクライナが又、4つの州を奪還する為に闘うと思います。
でも、クリミアはどうすれば良いのか?その国際紛争のホットスポットを巡って、又、争いが起きると思います。
もしウクライナが本当に東部の4つの州を取り戻す事が出来れば、クリミアも取り戻せる筈です。でも、プーチンがこの戦争で成果を上げる代わりにクリミアを失ってしまうと、彼にとって大きな打撃になります。彼はそれを受け入れる事が出来ないでしょう。
ウクライナがクリミアを取り戻そうとすると、プーチンが放置しないと思いますので、何があっても、それを許さない可能性があります。
仮にウクライナがクリミアを取り戻しても、クリミアは安定したエリアになる筈がなく、又、新しい紛争が起きます。クリミアの問題を」どうするかが、この戦争の最後の落しどころではないかと思ったりもします。
もしウクライナが戦争で上手くいって、クリミアを取る為に動いた場合、欧米がウクライナのその判断を支持するのか?それとも落しどころを探して、それ以上は政治によって解決すると判断するのかは分かりません。
今回の事によって、この戦争が更に激化する方向へ向かう事になったので、これからの状況も見過ごせません。引き続き観察して、皆さんに紹介していきます。
これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。
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