江沢民の死もあり、抗議デモは一旦鎮静化◆しかし抗議の種は撒かれた

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活動がどうなっているのか?これからどう変わるのか?

Harano Times 2022/12/01


皆さん、こんにちは。中国で起きた抗議活動は継続しています。この前と比べると少し沈静化していますが、完全に終わったワケではありません。

そして中国当局も対策を出し始めました。今回の動画では、今の中国政府の対策やこれからの可能性についてお話をしたいと思います。又、動画の後半で江沢民がなくなった事についてもお話をします。

今日の話を始める前に1点だけ補足でお話をしたい事があります。今回の抗議活動が起きた後、中国の抗議活動の多くの映像が海外に流れました。その状況を見て、絶対何かがおかしい。中国から情報が流れて来ない筈だと思っている方がかなり多い様です。

よくメディアで中共が情報統制をしていると報道されていますので、中国のファイアウォールは常に鉄壁であると考えた方も多い様です。実は中国の若者はVPNを経由して、海外の情報にアクセスしています。

VPNビジネスは中国ではかなり成熟したビジネスで、実際中国へ出張や旅行に行った方ならVPNを使った事があると思います。

技術的な話をするとややこしいので、VPNはファイアウォールを超える為の○○○(脱出法?)と考えた方が分かり易いと思います。

中共は勿論VPNに制限を掛けていますが、VPNを開発している会社も常にその制限を乗り越える為に対応して、お互いやりあっている感じです。

中国が海外と繋がりがある限り、それを完全に禁止する事は出来ないので、好奇心が強い若者は色んな方法を使って海外の情報を見たりします。

今回の抗議活動はかなり突然起きたので、海外に沢山の映像が流れたのは、中共が対応しきれなかっただけだと思います。

抗議活動が拡がった後、中共はVPNに対する制限を強化しました。その事について、又、後でお話をします。気付いている方も多いと思いますが、この2日間位、外へ流出する映像がかなり少ないのも制限が強化されたからです。

今直ぐに思いつく例で話をしますと、このチャンネルで実際にウイチャットのアプリを使った事がある方はどれ位いるかは分かりませんが、私は使った事があります。

例えば或るグループチャットで1人が動画や写真をアップすると、そのグループに入っている人は直ぐにその動画や写真をダウンロードする事が出来ます。LINEと同じです。

そのグループに海外に居る人が居れば、その瞬間、それらの動画や写真は海外に行きます。それは未だVPNを使っていないやり方です。もしVPNを使うと、直接Twitter等にアクセス出来ますので、情報の拡散が更に早いです。

つまり、海外に情報が流れているという理由で、その裏に絶対何かあるという考え方は少し極端だと思います。その可能性は否定出来ませんが、こういう事もあると知ると、総合的に判断できると思います。

今回ウルムチ発の抗議活動が一気に全国で起きた後、直ぐ世界で大きなニュースになりました。しかし中国国内では、情報の制限がかなり強い為、人口の数で考えると、未だそこまで知られていません。

集中的な抗議活動は沈静化していますので、基本、武装警察や軍隊を派遣する迄はいっていません。

今の状況では、警察が群衆が集まる事を阻止して、一部の人を逮捕する事で、今の波が収まる可能性が高いです。そして中共はオンラインでの制限を厳しくしました。

中共のインターネットを管轄する部署は11月29日にVPNサービスや関連の商品等の取締を強化する為の通知を出しました。

今公開された内容によると、
オンライン・ショップでVPN関連の商品とサービスの取締を強化する。
関連商品やサービスを販売禁止にする。
SNSで関連の知識を教えるコンテンツを削除する。
そして検索サイトから関連のキーワードを削除する。

つまり、VPNと調べても、関連の情報が出て来ない様にしないといけないと通知を出しました。

その通知から、中共は情報の拡散を制限する為に、かなり力を入れ始めているのが分かります。という事は、それ迄、情報がかなり海外に流れてしまった事を認めた事にもなります。

又、海外の事ばっかり言っていますので、中国国内では我々が外で見ている様な情報が流れていない事が分かります。

今回の事が起きた後、中共はVPN等に対する制限を更に厳しくするのは間違いありません。そして今、外部へ流出した或る上海の共産党組織のウイチャット・グループで住民の携帯を確認する様にという命令がありました。

その命令の内容によると、彼らは上海の一部のエリアで若者・出稼ぎ労働者等の携帯を重点的に確認して、携帯の中にTwitter、Youtube、ティックトック…因みにティックトックは海外版の名前で中国国内では別の名前になっています。

海外版と中国版の内容が違うので、此処では海外版の事を言っています。そしてテレグラム等の海外の違法アプリ、VPN関連のアプリがあるかを確認する。

発見した場合、本人の身分証明ID、両親の身分証明ID、携帯番号、本人の顔写真、携帯の写真等を記録する。

又、その場でアプリを削除してもらい、二度とその様なアプリを使わないと承諾書を書いてもらうという命令です。この命令から中国の若者、特に上海の様な大都市の若者はVPNをかなり使っているのが分かります。

そして実際に携帯を確認しない限り、中共は単純に情報制限等で誰がそのアプリを使っているのかを確認する事が出来ないのが分かります。

でも、最近Appleが中共に協力して、iPhoneのAirDropの機能を制限した事から、もしAppleの様な会社、若しくは他の携帯のシステムを開発する会社が、中共のリクエストによって携帯のシステムからその様なアプリを使えない様にすれば、情報を本格的に制限する事が出来ます。

今はそこまでいっていませんが、これからは、その方向へ向かう可能性が非常に高いです。

今回のデモの多くの参加者は若い学生ですので、中共は学生が集まらない様にする為に、授業をオンラインにしたり、冬休みを早くしたりして、学生たちを帰省させた学校が多いです。特に北京の大学では、その様な事が多かったです。

北京の清華大学は学生を学校から直接駅まで送る専用バスまで用意しました。学生たちが家に帰ると、集まる事が出来ません。そして、各地方で、又、コロナの制限があるので、自由に行動出来なくなります。

それ以外、もう1つ忘れてはいけないのは、今の大学生の両親たちは、天安門事件を知っていますので、多くの人は自分の子供たちが、中共にやられてしまう事を避ける為に、必死に子供たちを引き留めてくれる筈です。

これは中共が今の状況を改善する為に考えている、若者を分散させるやり方です。大量の警察を敏感なエリアに配置し、学生を解散させ、人が集まる事を阻止して、オンラインの情報を制限する事によって、今のところ、デモが鎮静化しています。

では、これからはどうするのか?もし習近平が引き続き、厳しいコロナ制限をすると、これから又、何かが切欠で、もう1回抗議活動になってしまう可能性があります。でも、譲ると共産党の面子が立ちません。それもこれからの抗議活動に繋がります。

習近平が何か正式に発言をしたと報道されていませんので、どこへ向かうのかは、未だハッキリと分かりません。この数日間、新華社、人民日報等の機関紙はコロナと戦うというニュアンスで評論記事を出しています。

そして中共上層部の会議に関連する報道でも、かなり厳しいニュアンスで話をしていますので、これから暴力鎮圧が起きる可能性があると考えている人も多いです。

しかし今日、突然、広州市の多くのエリアのロックダウンが解除され、低リスクエリアに変わった事が報道されています。広州市は今、中国国内でも、最も感染が広がっている場所だと見られていますので、広州市の多くのエリアがロックダウン解除になった事はかなり意外な動きになりました。

そして私が原稿を書いている時、中国四川省の或る学校の内部会議の録音が出ました。その話の内容によると、彼らが上からもらった指示では、学生たちがお互いに接触する機会を増やして、集団免疫を狙う様です。

今は様々な情報が流れていますが、未だコレという話がありません。でも、実際にやっている事から考えると、此処で習近平が一歩引いて、この騒ぎを収める事を狙っている可能性があります。

でも、この侭では、復讐心が強い習近平の気が済まないので、規制を緩和しながら、今回デモに参加した一部のメンバーを処罰して、「見せしめ」にする可能性が高いです。つまり、コロナ制限を緩和しながら、言論の制限を厳しくするという感じでやっていく可能性が高いです。

そして責任を地方政府に押し付けて、中央政府は正しいというニュアンスで宣伝を始める可能性があります。勿論、それ以外、適当に外国人を逮捕して、外国勢力のせいにする可能性もゼロではありません。

これから、又何か、大規模な抗議が起きない限り、第2の天安門事件が起きない可能性が高いです。現時点で分かっている事に基づいて話をしていますので、もし状況が変わったら、又、皆さんに紹介します。

今朝起きて、江沢民が亡くなったニュースを見ました。正直、そのニュースを見ても、特に驚く事はありませんでした。何故なら、彼はもう90歳を過ぎていて、健康に問題があるのは秘密ではありません。

前回の共産党大会に出席しなかったので、かなり弱っていると判断出来ます。もし、彼が車椅子に座る事が出来たら、彼はその会議に参加した筈です。

そして習近平が出国して、G20に参加した時、中国政府が各主要のメディアにホームページ等をグレーにする準備をする様にという連絡がいった事が流れていました。

その時から、江沢民が無くなる前の準備をしていたのではないかという話が流れていました。その年になると、共産党内で準備があるのもおかしくありません。

でも、それ以外、江沢民はその時に、既に亡くなっていた。習近平が帰国した後に公表するという話も流れました。

又、既に脳死状態になり、延命措置を使っているだけという話もありました。中共はこの様な情報を公開しませんので、実際はどうだったのかは分かりません。でも、その可能性は否定出来ません。

本当にそうなら、ウルムチで火災事件で人が亡くなって、丁度1週間経って、抗議活動が再度大きくなるタイミングで中共は江沢民が亡くなった情報を出しました。隠していた情報を出したのか、それとも延命措置を止めて、この情報を出したのかは分かりません。

勿論、江沢民が本当にこのタイミングで亡くなった可能性もあります。それなら、習近平は本当に運が良いというしかありません。

彼がいつ、どう亡くなったかは分かりません。公開情報が無いので、此処では話をする事が出来ませんが、事実は江沢民が亡くなった事です。今迄江沢民が亡くなった噂は何度も出ましたが、今回は本当に亡くなりました。

彼が亡くなった事が正式に報道された後、中国のほぼ全てのウエブサイトがグレーになり、追悼モードになりました。そして抗議活動の話も一旦姿を消したとも言えます。これは習近平にとって良い情報です。

そして習近平にとって最も重要な事は、江沢民の死は、中国に存在する江沢民派の精神リーダーの死になります。江沢民派が存在するのは、江沢民が生きているからです。

彼が生きている限り、習近平が何かする時は、江沢民の事を考えないといけません。しかし彼が亡くなれば、江沢民派が纏まる力が弱くなってしまいます。

勿論、今迄江沢民がほぼ寝たきり状態だったと思いますが、生きているのと、死亡したのと、やはり感覚が違います。

これから習近平は自分の権力を固める為に、今迄江沢民派だった人に手を出す可能性が高くなります。その最大のターゲットは江沢民派の最も重要な人物である曽慶紅(ソケイコウ)です。

今の抗議活動の波が一旦収まった後、若しくは、来年、政府の幹部の入れ替えが終わった後、中共で又、新しい権力闘争の嵐が始まる可能性が高いです。

江沢民が亡くなった後、中国圏のSNSを見ると、彼に対する評価はかなり異なっています。一部の人は彼の時代が良かったと感激しています。その理由は明らかで、当時と今を比べて、当時の中国には自由があって、お金もあったからです。

そしてもう一部の人は喜んでいます。その理由は、江沢民がかなり悪い事をやってきたからです。彼は何をやってきたのか?彼は確かに中国の経済を成長させる事をやりました。

彼が中国の税務システム・、金融システムの構築、為替改革等を行った事は中国のその後の経済発展の土台になりました。そしてその土台があって、中国はWTOに入りました。

それは中国の経済を発展させた最も重要な出来事です。世界を騙して、WTOに入ったので、今は様々なマイナス面が出ていますが、中国の経済発展に貢献したのは事実です。

彼の時代で、中国の経済はそれ迄ない様に発展し、多くの国民の生活が改善された為、彼の時代が良かったと考えている人も居ます。では、それ以外の部分はどうでしょうか?

中国の情報統制の代表になっているファイアーウォールは江沢民の時代から始まった物です。彼の息子はファイアーウォールの構築に深く関与していますので、江沢民家族はそのファイアーウォールの建設者と受益者です。

そして党内での地位が高くなかった江沢民は腐敗を利用して、共産党幹部の支持を獲得するやり方で、自分の権力を固めましたが、それは中共の腐敗問題を深刻化させました。勿論、軍隊もそうです。

又、彼は厳しい一人っ子政策を実施して、中国の人口構造を大きく変えました。これはどの経済問題よりも深刻な問題です。これからの少なくとも半世紀の人口構造に影響を与えています。

未だ、本当の意味で経済発展が出来ていない中国が少子化・高齢化に入ると、経済がどうなるのかは、だいたい想像がつきます。

そして彼は法輪功のメンバーを厳しく鎮圧し、それから臓器の売買が中国で1つの産業になりました。法輪功に対する鎮圧、虐待等は、ウイグルやチベットの人に使われて、今は中国の多くの一般国民にも使われています。

このチャンネルで紹介する事が出来ていませんが、中国で子供や青少年が亡くなっている事は、最近かなり報道されています。今迄もズッとあった事ですが、最近、又、話題になっています。

誰1人逃がさない、中共の監視システムの下で、大量に姿を消した青少年たちの臓器が販売された可能性が一番大きいです。

片方で、青少年が突然姿を消して、片方で、同じ病院で、同じ日に3人の患者が心臓移植の手術を受けると、どうしても目立ちます。今、こうなっているのも、江沢民の当時の政策と大きく関わっています。

日本の視点で考えると、彼は反日教育を実施して、中国人の反日の思想を作り上げ、中国人に反日の感情を植え付け、中国人を日本との外交で使い易い道具にしました。

そして、今日知りましたが、彼は天皇陛下との晩餐会でかなり無礼な事をしたのは、やはり日本人にとっては、許せない事だと思います。

総合的に考えると、江沢民は中共という邪悪なヤクザ組織が延命する事で大きな役割を果たした為、中国と世界に与えた悪いインパクトが大きいと思います。

白紙革命がこれからどう変わるか次第で、江沢民が亡くなった後、中共内部で権力闘争がどうなるか次第で、中国では、まだまだ色々起きるでしょう。引き続き確認して、皆さんに紹介していきます。

これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。

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