不満に抗議する意義を知った人民vsキンペー共産党の行方に興味津々
※この写真は日テレのニュース解説のスクショをお借りしています
ロックダウン解除の実情、
習近平があのことについて話をして、これからの方向性を示す、
今回のことで終わりになるのか?
習近平があのことについて話をして、これからの方向性を示す、
今回のことで終わりになるのか?
Harano Times 2022/12/05
皆さん、こんにちは。中国の白紙革命と名付けられている抗議活動は中共の一連の対応で、今、沈静化しています。今回の動画では、この抗議活動が起きてから中国で始まったロックダウン解除で起きた困難、そして今後の展望について話をします。又、動画の最後で、今回の白紙革命の効果・意義についても話をしたいと思います。
今回の話を始める前に、1点、お知らせがあります。既にご存知の方も多いと思いますが、カナダ人ニュースで配信をしているヤマタツさんが初めて本を出版しました。
アメリカの左翼がアメリカをどう破壊しているかに関する本です。未だ発売がされていませんが、既にAmazonの新着ランキングに入っています。私は未だ、その本を読んでいません。
しかし彼は普段からチャンとしたコンテンツを作成しているし、今回も相当の資料を調べ上げて、その本を完成させた様ですので、間違いなく良い内容になっているのではないかと思っています。ご興味がある方は、是非、ご検討下さい。
では、今日の本題に入ります。中共は今回の抗議について国内では報道せず、情報を封鎖しています。海外に居る私たちは、中国国内の多くの人よりも中国国内で起きた事を知っているとも言えます。
中国国内では報道されていませんが、習近平は海外向けに、その件について初めて言及し、その事件を定義しました。そして中国のパンデミックの事についても話をしました。
では、彼は誰に何を言ったのか?香港の英文紙サウスチャイナ・モーニングによると、習近平は先週金曜日に、中国を訪問した欧州理事会議長と会談した時、「最近、中国で抗議活動を起こした人の主体は、3年間のパンデミックに不満になった学生」と言いました。
彼のこの言い方は正しくありません。確かに大学生の抗議活動が多かったです。しかし天安門事件の時と比べると、学生以外、現地の住民の割合がかなり大きいです。場合によっては、学生以外の住民の比率が大きいです。
習近平が何故その会談でこの話をしたのかは分かりません。彼本人から、その話を出す筈がないので、それに関連する質問があった後、習近平がそれについて話をした可能性が高いです。
何故習近平がそういう話をしたのかは分かりませんが、彼がそういう発言をした以上、何らかの行動がついてきます。又、彼は、その抗議活動は海外勢力の煽りによる騒動的な表現を使っていません。
少なくとも、その報道では、そういう表現がありませんでした。その様な表現を使っていないという事は、これから習近平がこの問題で人を逮捕したりする時も、大袈裟な事をせずに、水面下でやる可能性が高いのが分かります。
それ以外、彼は「今中国国内で流行っているのは、オミクロンの変異株で、その前のデルタ変異株より致死率がかなり低い。又、中国のワクチン接種率が高いが、高齢者の接種率が低い。それは今直面しているチャレンジである」とも言いました。
つまり習近平は此処でコロナの低致死率を認めた事になりますので、これから中国のロックダウンが緩和・解除される方向に向かう可能性が高いのが分かります。そして高齢者の接種率を上げていくでしょう。
では習近平のこの発言を政策に落とすと、何をしないといけないのか?そのポイントは2つです。
1つは宣伝上でコロナの危険性を下げる事です。3年間ズッとコロナは危険と言われてきた中国人に、いきなり「ロックダウン解除」と言っても、怖がる人が増えるだけで、更に混乱する可能性があります。
そしてもう1つはワクチン接種を強化する事です。コロナの危険性が下がった。そしてワクチンがあれば、もっと安心という感じで、今のワクチンの接種率を更に上げて、ロックダウン解除しても問題ないという条件を整える必要があります。
今回の習近平の発言には、この2つのポイントが含まれていますので、これから中国はロックダウン緩和・解除に向かう可能性が大きいです。
あの有名な元編集長は自分のアカウントで「自分は1ヶ月以内で感染する覚悟をしている。重症率は1万分の2.5%だから大丈夫」と言いました。
彼は中共の風向きを見て発言しますので、彼もこれから中国がロックダウンを解除して、集団免疫を目指すと考えている、若しくは、その情報を仕入れているのが分かります。
今、皆さんが中国のロックダウンが解除されたという話をよく聞いていると思います。でも、中国で言っているロックダウン解除は、我々が考えている、生活が正常に戻るというワケではありません。
だから私もこの動画で「緩和・解除」という言い方を使っています。今は基本的に緩和であって、完全に解除ではありません。
今、多くの所で、接触者は原則的に集中隔離されて、一定の条件を満たした人だけ自宅隔離になります。つまり、制限の強度を下げています。又、都市によっても、その制限の強度は違います。
だからロックダウン解除という報道を見ても、いきなり正常な生活に戻ったと理解する事は出来ません。これを前提条件として考えないといけません。
では、3年間もロックダウンされて、それが日常のなっている中国人や各組織にとって、いきなり方向転換は難しいです。そして中共の様なヤクザ組織には面子が必要です。いきなり自分の政策を変える事は出来ません。
だから彼らのお家芸である、書類無しの行動伝達や、黙認等を使っています。
上層部は責任逃れの為に、明確な指示ではなく、曖昧な言葉を使って指示を出していますので、各地方政府も探りながらやっています。
中共は明確に「コロナゼロ政策を止める」と言っていません。でも、同時に「ダイナミック・ゼロ」、「社会面ゼロ」という言い方を宣伝からなくしています。
視察に行った都市がロックダウンされてしまう、女性の副総理、ロックダウンの鬼も最近「ダイナミック・ゼロ」という言い方をやめています。
習近平に合わせて、オミクロンの「致病率」が小さくなっている。「致死率」ではなく「致病率」…つまり、病気を引き起こす確率が小さくなっていると言っています。そしてワクチンの普及率が増えているという話をしています。
この状況を見て、各地方政府もその風向きを見ながら、これからの方向性を探っています。統一基準が無い中国は、今、混乱に落ちています。
例えば、北京の多くの所では、PCR検査を強制検査から、自主検査に変えて、必要がある人は自費で自主的検査をして、今迄あった多くの検査スポットを無くしました。
しかしそれでも陰性証明が必要になる事が多いので、逆に検査に行きたくても行けない人が多くなって、混乱が生じています。
広州では逆にロックダウンが緩くなって、多くのエリアではレストランの開業が許されたその日にレストランが満員になって、ワールドカップを見る事もありました。
又、都市やエリアによって、制限を無くしたと言いながら、マンションから降りて、マンションの下で散歩をする事しか許さない所もあれば、やっと努力してコロナゼロを実現しそうになったので、暫く解除しないという所もあります。
つまり今は全国で統一基準が無く、地方政府が中央の意図を探りながら進んでおり、混乱が起きています。でも、総合的に考えると、緩和・解除という方向性に向かっている事は決まったとも言えます。
では、中共は何故、このタイミングでロックダウンを解除する事を選んだのか?勿論、今回の国民の抗議と強く繋がっています。
今回の抗議活動が起きた切欠は、ウイグルでの火災ですが、根本的な理由は3年間のロックダウンで高まった国民の不満です。
今回の抗議活動で「反習近平」「反共産党」のスローガンが出た以上、放置する事は出来ません。鎮圧か、一旦引くかをしないといけなかったので、習近平は、一旦引く事を選んだとも言えます。
そして彼がロックダウンを解除すると判断した重要な理由の1つは、経済の問題です。中国の経済はこの3年間で完全に破壊されています。これ以上いくと、後戻り出来ない所まで落ち込んでしまいます。既にそうなっているとも言えるかもしれません。
過去、中国の経済が悪化した話をした時、中国の財政問題を家計に例えて、お金が無くなると、もたなくなってしまうという話をした事があります。
その時、中国には通貨を発行する権力があるので、いくらでも通貨を発行する事が出来る。だから大丈夫という意見がありました。
しかし、海外の経済と繋がりがあって、国内で完全な内部循環が出来ていない限り、通貨を無限に発行する事は不可能です。今の中国の通貨は既に過剰に発行されていますので、かなり厳しい状態です。
通貨の事は今回の主要なテーマではないので、此処では詳しくお話をしません。中国は今、非常に燃費が悪い社会体制になっていますので、毎日、膨大なお金が掛かります。
過去の動画でも、公務員の給料が減った話を何回か紹介した事があります。最近、中国の財政がかなり厳しくなっているという話が、又、報道される様になりました。
中共が国民全員を対象にして行っているPCR検査のコストは、中国の医療保険から出されていました。そこのお金が足りなくなった後、地方政府がその分の費用を負担する様にという指示が出たので、各地方政府が自分のエリアでのコストを負担する事になりました。
地方政府の税収権が取られた後、彼らに残されたのは、土地を販売する事だけですが、今の不動産業界の状況では、土地は売れません。そうなると、地方政府が継続的に自力で検査の分を負担する事は無理です。
何をやってもお金が掛かる今、中共がもっと優先的に確保するのは、治安維持費です。検査をしなくても中共は崩壊しないが、公安・軍隊、そして普段前に出て来ないネット上でのコントロールを行っている裏部隊を維持する為に資金を確保しないと危険です。
検査が悪化した時、検査の重要性も下がってきます。ロックダウンする事が社会をコントロールする為でしたら、そのコストはとんでもなく高いだけではなく、逆に問題になって「共産党退陣」というスローガンに繋がっています。
中共はコロナの制限を緩めたが、今回の抗議活動で活躍した人を許したワケではありません。ネット上では、既に逮捕された一部の人のリストが公開されています。
中共は予想通り、片方で制限を緩くして、片方で、抗議活動に参加した人を逮捕したりしています。習近平共産党が、彼らを放置して、それを許す筈がありません。
中共の歴史を見ると、自分の行き過ぎた政策を修正した後、暫くして、更に行き過ぎた事をやる事が多かったです。
自分の間違った政策を修正するとなると、修正すべき問題を直す為に、誰がどう間違えたかという事を反省する必要が出てきます。独裁国家では、無限な権力を持つ独裁者は、無限な責任を持つ事になります。
だから自然と、独裁者習近平の責任になりますので、結局、習近平が何らかの責任を持つべき―という事になります。習近平は何らかの形で、党内外から、そういうフィードバックを貰います。
しかし、独裁者が指摘されると、不安になり、更にコントロールを強化し、不安を解消しようとしますので、もっと他の制限を掛けてくる可能性があります。
今回の緩和が終わった後、又、別の意味での制限が起こるのかは分かりませんが、その可能性が存在します。今回の抗議活動は、此処で一旦、沈静化しましたが、此処で完全に終わったワケではありません。
今回の抗議活動のとても重要な意義は、中国で今、大変な事が起きている根源は共産党であり、習近平であるという認識が出た事です。
今迄、そう考えた人が多かったとしても、今回はその政治主張を明確に出しました。今回はコロナで国民が大変な事になりましたが、次は不動産の崩壊で、国民が不安を感じるかもしれません。
その場合、又、国民が自然と習近平・共産党に不満をぶつける事になります。無限な権力を持つ独裁者は無限な責任を持つ。何かあれば、それは習近平のせい。そして習近平は自分と共産党を一体化にしましたので、それは習近平のせいだけではなく、共産党のせいでもある―という事になります。
今後中国で何か起きたら、簡単に習近平や共産党に繋がります。この様な事が多ければ多い程、人々の認識も段々変わってきます。
服従が存在するから、権力が存在します。そういう認識を持つ人が多くなり、服従する人が減って行けば、共産党の権力も徐々に弱体化していきます。勿論、それは1日、2日で出来る事ではありませんが、時間を掛ければ、いつかそうなる可能性が高いです。
この認識が生まれた事は、今回の抗議活動の重要な意義であり、中共の体質上、これからも多くの国民が不満を感じる事が起きますので、次の「習近平退陣」、「共産党退陣」を聞く事は、そう遠くないかもしれません。
これからもこの様な話をしていきますので、ご興味のある方は、是非、フォロー、コメント、拡散をお願いします。又、このチャンネルを応援して頂ける方は、是非、メンバーシップもご検討下さい。では、又、次回、お会いしましょう。HaranoTimesがお届けしました。
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